「MT4とMT5、結局どっちを使えばいいの?」——FXの自動売買(EA)を始めようとした方なら、一度はこの疑問を抱いたことがあるはずです。
私・為替コヤジはFX投資歴11年、これまで40種類以上の自動売買を検証してきました。その経験から率直に言うと、MT4とMT5は「後継バージョン」という言葉で語られがちですが、実際はまったくの別物として捉えた方が正確です。
この記事では、MT4とMT5の違いを7つの観点で徹底的に比較し、「自分にはどちらが合っているのか」を判断できるよう、わかりやすくまとめました。EA(自動売買プログラム)を使いたい方にとって特に参考になる内容になっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
- MT4・MT5とはどんなプラットフォームなのか
- MT4とMT5の7つの違い(比較表付き)
- EA(自動売買)目線でどちらが有利か
- MT4・MT5それぞれに向いている人の特徴
- 国内でMT4・MT5が使えるFX業者一覧
MT4・MT5とは?まずは基本から

MT4・MT5について解説する前に、そもそも何者なのかをおさらいしておきましょう。どちらも世界中のFXトレーダーに使われている定番ツールですが、開発の経緯や設計思想に大きな違いがあります。
MT4(MetaTrader 4)とは
MT4(メタトレーダー4)は、ロシアのMetaQuotes Software社が2005年にリリースしたFX取引プラットフォームです。
リリースから20年以上が経過した現在もなお、世界中のトレーダーに愛用され続けている事実が、その完成度の高さを物語っています。シンプルで直感的な操作性と、EA(エキスパートアドバイザー)と呼ばれる自動売買プログラムの豊富さが最大の武器です。
EA開発には「MQL4」という専用プログラミング言語を使用します。C言語に近い文法で比較的学習しやすく、世界中の開発者がEAを制作・公開してきた結果、無料・有料合わせて膨大な数のEAが存在します。
国内FX会社でもMT4を採用するところが多く、日本語の情報も豊富なため、FX自動売買の入り口として最も選ばれやすいプラットフォームといえます。
MT5(MetaTrader 5)とは
MT5(メタトレーダー5)は、MT4の後継として2010年にMetaQuotes Software社がリリースした次世代プラットフォームです。
FX専用に設計されたMT4とは異なり、MT5はFXのほかに株式・先物・CFD・仮想通貨など、幅広い金融商品に対応できるマルチアセット設計になっています。処理速度の向上(32bit→64bit対応)、時間足の増加、バックテスト機能の強化など、スペック面ではMT4を大きく上回ります。
プログラミング言語はMT4のMQL4ではなく「MQL5」を使用します。より高度な記述が可能な反面、MQL4との互換性がないため、MT4用のEAをMT5でそのまま使うことはできません。この互換性のなさが、MT5の普及を妨げてきた大きな要因のひとつです。
MetaQuotes社は将来的にMT5への完全移行を推進しており、各FX業者でも対応が徐々に進んでいます。
MT4とMT5の7つの違いを徹底比較

「MT4とMT5は名前が似ているだけで中身は別物」と私・為替コヤジはよく説明しています。実際に使い比べてみると、7つの観点でハッキリとした違いが見えてきます。まずは以下の比較表でポイントを整理しましょう。
【MT4・MT5比較表】
| 項目 | MT4 | MT5 |
| リリース年 | 2005年 | 2010年 |
| プログラム言語 | MQL4 | MQL5(互換なし) |
| 時間足の種類 | 9種類 | 21種類 |
| 標準インジケーター | 約50種類 | 約80種類以上 |
| 処理速度 | 32bit(やや低速) | 64bit(高速) |
| バックテスト速度 | やや時間がかかる | 高速(数分で数年分も可能) |
| 対応資産 | FX専用 | FX・株式・先物・CFDなど |
| 注文種類 | 4種類 | 6種類(ストップリミット等追加) |
| 板情報表示 | なし | あり |
| 経済指標カレンダー | なし(外部連携が必要) | 標準搭載 |
| EA・インジの豊富さ | 圧倒的に多い | 増加中だがまだMT4に劣る |
| 国内対応業者数 | 多い | 少ないが増加傾向 |
①時間足の種類:9種類 vs 21種類
MT4で使える時間足は9種類(1分・5分・15分・30分・1時間・4時間・日・週・月)です。一方MT5では21種類に拡張されており、2分足・3分足・4分足・6分足・10分足・2時間足・3時間足・6時間足・8時間足・12時間足なども利用できます。
スキャルピングやデイトレードをメインにしている方にとって、より細かい時間軸で分析できるMT5は大きなアドバンテージになります。ほったらかし運用が中心であれば、MT4の9種類で十分です。
②EA・インジケーターの豊富さ:現時点ではMT4が圧倒的
FX自動売買でMT4・MT5を使う最大の目的がEAの運用です。この点においては、現時点でMT4が圧倒的に有利です。
MT4は2005年のリリース以来、世界中の開発者が20年以上かけてEAを作り続けてきたため、無料・有料合わせて膨大なライブラリが存在します。一方、MT5向けEAは質・量ともにまだMT4には及びません。
ただし、MT5向けEAも着実に増加しており、MetaQuotes社の公式マーケットプレイス(MQL5.com)ではMT5向けコンテンツの更新が継続されています。英語が読める方であれば、海外サイトからMT5用EAを入手する選択肢も広がっています。
③処理速度とバックテスト:MT5が大幅に高速
MT4は32bit設計であるのに対し、MT5は64bit設計です。この違いが処理速度に直結しており、特にバックテストの速度差は顕著です。
MT4では長期間のバックテストに数十分を要することもありますが、MT5では10年分のデータを数分程度で完了させることが可能です。また、MT5ではバックテストと同時にフォワードテスト(実際の相場での検証)を実行できる機能も備わっています。
EAを自作したり、細かく検証を繰り返したりするトレーダーにとっては、MT5のバックテスト環境は大きなメリットです。
④注文の種類:MT5のほうが豊富
MT4では「成行・指値・逆指値・IFD」の基本4種類が中心ですが、MT5では「ストップリミット注文」が追加され、6種類に増えています。ストップリミット注文とは、指定した価格に達した時点で自動的に指値注文が有効になる注文方式で、精密なリスク管理を行いたいトレーダーに有用です。
⑤板情報と経済指標カレンダー:MT5のみ標準搭載
MT5では「板情報(各価格帯での売買注文量)」の表示に対応しており、スキャルピングや短期売買で市場の流れを読むのに役立ちます。また、経済指標カレンダーがプラットフォームに標準搭載されているため、重要指標の発表時刻を確認しながらトレードできます。MT4にはどちらも標準搭載されていません。
⑥対応資産:MT5はFX以外も取引可能
MT4はFX(通貨ペア)の取引に特化した設計ですが、MT5はFXに加えて株式・先物・CFD・仮想通貨なども取引できます。FX以外の資産にも投資を広げたいと考えている方にとって、MT5の対応力は大きな魅力です。
⑦EA・MQL4とMQL5の互換性:まったくなし
MT4とMT5では使用するプログラミング言語が異なり(MQL4とMQL5)、互換性がありません。つまり、MT4用のEAをMT5でそのまま動かすことはできず、MQL5で書き直す必要があります。
逆もしかりで、MT5用EAはMT4では動きません。すでにMT4用のお気に入りEAがある方は、MT5への移行を検討する際にこの点を必ず確認してください。
MT4・MT5それぞれに向いている人

機能の違いを踏まえた上で、MT4とMT5それぞれが向いている人の特徴をまとめます。どちらを選ぶかは「何のために使うか」によって変わります。
MT4が向いている人
・既存の豊富なEAをそのまま使いたい人
・日本語情報や国内業者の選択肢を重視する人
・FX専業で他資産への投資は考えていない人
・シンプルな操作環境で取り組みたい初心者
・現在MT4でEAを運用中で移行コストをかけたくない人
EA(自動売買)を始める方の多くにとって、現時点ではMT4が有力な選択肢です。情報量の多さ・EAの種類・国内業者の対応状況、いずれの面でも安心感があります。ほったらかし投資を目指す私・為替コヤジとしても、初めてプログラム型自動売買に挑戦する方にはまずMT4をおすすめしています。
MT5が向いている人
・スキャルピングや短期取引を中心にしたい人(21種類の時間足・高速処理が有利)
・FX以外に株式・先物・CFDなど複数の資産を一つのプラットフォームで管理したい人
・EAのバックテストを頻繁に行い、精度の高い検証環境を求める人
・MQL5でEAを自作できる・学習意欲がある中上級者
・将来を見据えてMT5の習熟を今のうちから進めておきたい人
MetaQuotes社はMT5への移行を継続的に推進しており、国内外を問わずMT5対応業者も着実に増えています。長期的な視点でプラットフォームを選ぶなら、MT5を視野に入れる価値は十分あります。
国内でMT4・MT5が使えるFX業者一覧

MT4・MT5を使うには、対応しているFX業者に口座を開設する必要があります。国内では以下の業者がMT4またはMT5(あるいは両方)に対応しています。
| FX業者名 | MT4 | MT5 | 備考 |
| ゴールデンウェイ・ジャパン(FXTF) | ○ | × | スプレッド業界最狭水準 |
| 外為ファイネスト | ○ | ○ | MT4・MT5両方対応 |
| 楽天証券(楽天MT4) | ○ | × | 楽天FXとは別サービス |
| OANDA JAPAN | ○ | ○ | MT4・MT5両方対応 |
| アヴァトレード・ジャパン | ○ | ○ | MT4・MT5両方対応 |
| フィリップ証券 | × | ○ | MT5専用 |
※上記は2025年時点での情報です。各業者の最新情報は公式サイトでご確認ください。また、国内業者以外にも、海外FX業者の多くがMT4・MT5に対応しています。ただし、海外業者は金融庁の登録を受けていない業者も多く、トラブル発生時のリスクが高い点に注意が必要です。
MT4・MT5に関するよくある質問

ここでは、読者の方からよく寄せられる質問をまとめて解説します。
Q:MT4のEAはMT5でも使えますか?
いいえ、使えません。MT4(MQL4)とMT5(MQL5)はプログラミング言語が異なり、互換性がありません。MT4用のEAをMT5で動かすには、MQL5で新たに書き直す必要があります。
Q:MT4は今後サービスが終了しますか?
MetaQuotes社が2018年頃にMT4の段階的廃止を示唆したことがありましたが、世界中に根付いたMT4の利用者数は依然として膨大であり、2025年時点でも現役で使われ続けています。国内・海外を問わず対応業者が多く、すぐに廃止される見通しは立っていません。ただし、将来的にはMT5への移行が加速していく可能性が高いため、長期的な視点での備えは必要です。
Q:MT4・MT5を24時間稼働させるにはどうすればいい?
自宅のパソコンでMT4・MT5を稼働させると、スリープや電源オフ時にEAが停止してしまいます。24時間安定稼働させるためには、VPS(仮想専用サーバー)の利用が一般的です。FX自動売買専用のVPSプランを提供している国内業者もあるため、EA運用を始める際は合わせて検討しましょう。
まとめ:MT4とMT5、どちらを選ぶべきか

この記事では、MT4とMT5の違いを7つの観点で比較し、それぞれに向いている人の特徴や国内対応業者についてまとめました。
最後に、私・為替コヤジの結論をお伝えします。
- EAを使った自動売買を今すぐ始めたいならMT4が最有力
- スキャルピング・短期取引・マルチアセット運用を目指すならMT5
- 将来を見据えるならMT5への理解も深めておくと安心
MT4とMT5はどちらが「正解」というわけではなく、あなたの取引スタイルと目的によって最適な選択が変わります。まずは自分が「何のためにプラットフォームを使うのか」を明確にした上で、じっくり選んでみてください。
より詳しいEA選びや設定方法については、当サイトの関連記事もぜひ参考にしてみてください。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。FX取引にはリスクが伴います。投資はご自身の判断と責任のもとで行ってください。



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