「トラリピでカナダドル/円を運用してみたいです。どんな設定がいいですか?」
「片道トラリピって、本当にうまくいくの?実例が知りたい。」
本記事ではこんな悩みを解決します。
カナダドル/円(CAD/JPY)は、資源国通貨のカナダドルと円の組み合わせで、豪ドル/円やNZドル/円と並ぶクロス円のひとつです。
私・為替コヤジは2018年12月から2022年9月まで、カナダドル/円をスワップがプラスになる「買いだけ」で運用していました。いわば片道トラリピに近い運用です。結果は通算約74万円のプラスで、13通貨ペアの中でもトップクラスの成績でした。
同じ「買いだけ」の豪ドル/円が通算マイナスに終わった一方、カナダドル/円はなぜうまくいったのか。本記事では、カナダドル/円の最新の相場環境と片道トラリピの3条件による「今」の診断、そして過去の設定と実績から見えた「片道トラリピが機能する条件」を解説します。
- カナダドル/円の最新の値動きと金利環境(2026年10月時点)
- 片道トラリピの3条件で見たカナダドル/円の「今」の評価
- 為替コヤジが運用していたカナダドル/円の「買いのみ」設定
- 約4年間で約74万円のプラスになった経緯
- 「買いだけ」の豪ドル/円との比較で見えた、片道トラリピが機能する条件

この記事は、ほったらかし投資歴10年の為替コヤジ()が書いています。かなりの古株です。
これまで試行錯誤を重ねながら40種類以上のほったらかし投資を検証してきましたが、現在は厳選6種のほったらかし投資で月に20万円から40万円ほど稼いでいます。
カナダドル/円の特徴と最新の相場環境

まずはカナダドル/円の基本的な特徴と、2026年10月時点の相場環境を整理しておきましょう。
カナダドルは原油価格の影響を受けやすい資源国通貨で、米国経済との結びつきも強い通貨です。カナダドル/円は、原油価格・米国経済・円相場の3つの影響を受けて動きます。
| 項目 | 内容(2026年10月初旬時点) |
|---|---|
| 現在のレート | 110円台後半 |
| 2026年の安値 | 110.13円(9月30日) |
| 政策金利 | カナダ(カナダ銀行):2.25% 日本(日銀):1.25%程度 |
| スワップの向き | 買い:プラス/売り:マイナス |
| トラリピの最小取引単位 | 1,000通貨 |
※スワップポイントは日々変動します。最新の値は必ずマネースクエアの公式サイトでご確認ください。
カナダの政策金利は日本より約1ポイント高く、カナダドル/円は買いでスワップを受け取れる状態です。ただし日銀が2026年に2回利上げしたことで金利差は縮まっており、豪ドル/円や英ポンド/円と比べるとスワップの水準は控えめです。
カナダドル/円の値動き|長期レンジと直近の推移

次に、カナダドル/円の長期的な値動きを確認します。
旧設定は過去20年のレンジをもとに作っていましたが、現在のレートはそのレンジの中央値を大きく上回っています。
旧設定の前提:過去20年は70円~120円にほぼ収まっていた

旧設定を作った当時、カナダドル/円の過去20年の月足チャートは、おおむね70円~120円のレンジに収まっていました。
そこで中央値を95円とし、その下に買いのトラップだけを仕掛けていました。当時は売りスワップが1万通貨あたり1日-100円を超えるほど負担が大きかったため、売りは仕掛けていません。
2022年以降は円安で110円台へ
2022年以降の円安で、カナダドル/円は中央値の95円を大きく上回り、110円台まで上昇しました。2026年も110円台以上で推移し、9月30日には年初来安値となる110.13円をつけています。
10月初旬は110円台後半と、旧設定の買いレンジ上限(95.00円)を15円以上上回る水準です。
片道トラリピの3条件で診断|カナダドル/円は今、仕掛けるべきか

ここからは、片道トラリピに適した通貨ペアを選ぶ3つの条件で、今のカナダドル/円を診断します。
カナダドル/円でスワップがプラスになるのは「買い」なので、買いの片道トラリピとして評価します。
| 条件 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| ① プラススワップが大きい | △ | 買いでスワップを受け取れるが、金利差は約1ポイントと控えめ。日銀の利上げで縮小傾向 |
| ② レンジ相場を形成している | △ | 2026年は110円台以上で推移しているが、長期的には円安で上方向にずれている |
| ③ レートがレンジの端にある | △ | 2026年の推移で見れば安値圏。ただし長期的に見れば旧レンジの中央値を大きく上回る高値圏 |
診断結果をまとめると、3つの条件がどれも中途半端で、今のカナダドル/円は片道トラリピの候補としては見送りというのが私の判断です。
2026年の推移で見れば安値圏にあるものの、スワップは控えめで、長期的には高値圏にあります。日銀の利上げが続けば金利差がさらに縮まり、円高が進む可能性もあります。
現在の条件に合う通貨ペアは、下記の記事で紹介しています。
【過去の記録】為替コヤジのカナダドル/円「買いのみ」設定

ここからは、私が以前運用していたカナダドル/円の設定を記録として紹介します。
現在は運用しておらず、推奨設定ではありません。過去の参考としてご覧ください。
当時の設定内容
中央値95円より下に、買いのトラップだけを仕掛けていました。
| 設定内容 | 買い | 売り |
|---|---|---|
| レンジ | 70.10~95.00 | 仕掛けず |
| 注文金額 | 1,000通貨 | |
| トラップ本数 | 250本 | |
| トラップ間隔 | 0.1円 | |
| 利益金額 | 1,000円 | |
| 決済トレール | あり | |
| ストップロス | なし |
運用資金は400万円を想定し、自作のExcelツールで計算したロスカットレートは69.322円と、レンジ下限まで耐えられる設定でした。
約4年間の運用実績
カナダドル/円は2018年12月に運用を始め、2022年9月に停止しました。年ごとの売買損益は以下の通りです。
| 年 | 売買損益(スワップ除く) |
|---|---|
| 2018年(12月から運用開始) | +6,180円 |
| 2019年 | +218,968円 |
| 2020年(コロナショック) | +226,748円 |
| 2021年 | +246,237円 |
| 2022年(9月に停止) | +35,357円 |
| 2023年 | +8,989円 |
| 合計 | +742,479円 |
2019年から2021年までの3年間は、毎年20万円を超える利益を安定して積み上げました。特に注目していただきたいのが、コロナショックのあった2020年もプラスを維持している点です。
2022年は円安で中央値の95円を上回り、買いポジションの多くが利益確定で決済されました。9月にクロス円をまとめて整理した際の損切りは約3万円にとどまり、通算では約74万円のプラスで運用を終えています。
トラリピ全体の運用実績は、下記の記事ですべて公開しています。
「買いだけ」の豪ドル/円との比較で見えた、片道トラリピが機能する条件

カナダドル/円と豪ドル/円は、どちらもスワップがプラスの「買いだけ」で運用していました。それにもかかわらず、カナダドル/円は約74万円のプラス、豪ドル/円は約37万円のマイナスと、結果は大きく分かれました。
この違いから見えた、片道トラリピが機能するための条件を3つにまとめます。
| 項目 | カナダドル/円 | 豪ドル/円 |
|---|---|---|
| 運用期間 | 2018年12月~2022年9月 | 2012年1月~2022年9月 |
| 大きなショック | コロナショック | チャイナショック、コロナショック |
| ショック時の損益 | 2020年:約+23万円 | 2015年:約-30万円 2020年:約-111万円 |
| 通算の売買損益 | 約+74万円 | 約-37万円 |
1. 急落してもレンジの中にとどまること
コロナショックでカナダドル/円は一時70円台まで下落しましたが、旧設定の買いレンジ(70.10~95.00円)の中にとどまりました。そのため急落の後の反発局面で決済が進み、2020年もプラスを維持できました。
旧記事で「大暴落はボーナスステージ」と書いていたのは、まさにこの状態です。急落してもレンジの中にとどまり、耐えられる資金がある場合に限り、暴落はチャンスになります。
2. 急落時に耐えられるだけの余力があること
カナダドル/円は運用資金400万円でレンジ下限まで耐えられる計画でした。一方、豪ドル/円のコロナショックでは、口座全体の余力が足りなくなり、損切りを余儀なくされました。
片道トラリピでも、レンジ下限まで耐えられる資金を最初から用意しておくことが欠かせません。
3. レンジを上抜けたときは「利益確定で終わる」
買いだけの片道トラリピでは、レートがレンジを上抜けると、保有していた買いポジションは利益確定で決済されていきます。2022年の円安でカナダドル/円が95円を上回ったとき、損失がほとんど出なかったのはこのためです。
同じ円安でも、売りポジションを持っていた米ドル/円などのハーフ&ハーフは大きな損失を出しました。スワップがプラスの方向だけに仕掛ける片道トラリピは、反対方向のポジションを持たないことが強みです。
よくある質問

カナダドル/円のトラリピについて、よくいただく質問にお答えします。
Q. カナダドル/円はトラリピに向いていますか?
過去の私の運用では、買いだけの片道に近い形で約74万円のプラスとなり、相性のいい通貨ペアでした。ただし現在は長期的に見て高値圏にあり、スワップも控えめなため、今から始めるのはおすすめしません。
Q. 米ドル/カナダドルとはどう違いますか?
米ドル/カナダドルは米国とカナダの通貨の組み合わせで、円が絡まないためクロス円との分散に役立ちます。レンジ相場になりやすい点も特徴です。私は米ドル/カナダドルもハーフ&ハーフで運用し、約27万円のプラスで終えています。
Q. 過去の設定をそのまま使ってもいいですか?
おすすめしません。旧設定の買いレンジ(70.10~95.00円)は現在のレートより15円以上も下にあり、そのまま設定しても当面は約定しません。また、ストップロスを入れていない点も現在の考え方とは異なります。
まとめ:カナダドル/円は片道トラリピの「成功例」。ただし今は「待ち」

本記事では、カナダドル/円の最新の相場環境と、過去の「買いのみ」設定とその結果を紹介しました。
要点を整理すると以下の通りです。
- カナダドル/円は買いでスワップを受け取れるが、金利差は約1ポイントと控えめ
- 片道トラリピの3条件はどれも中途半端で、今は新規エントリーを見送る局面
- 旧設定は「買いのみ」で約4年間運用し、通算約74万円のプラス
- コロナショックでもレンジ内にとどまり、耐えられる資金があったため、2020年もプラスを維持
- 片道トラリピは「レンジの中にとどまること」と「十分な余力」がそろって初めて機能する
トラリピは仕組みを正しく理解し、リスクを管理すれば、コツコツと利益を積み上げられる優れたツールです。
私の成功例と失敗例の両方を参考に、ぜひ条件のそろった通貨ペアで、片道トラリピを無理なく始めてみてください。
為替コヤジが過去に運用していた全13通貨ペアの設定と、その結果は下記の記事にまとめています。









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