「トラリピで豪ドル/円を運用してみたいです。スワップも高いし、買いだけで仕掛ければ安心ですよね?」
「豪ドル/円がかなり高くなっているけど、今から始めても大丈夫?」
本記事ではこんな悩みを解決します。
豪ドル/円(AUD/JPY)は、スワップポイントが高く値動きも適度にあることから、トラリピでも昔から人気のある通貨ペアです。私・為替コヤジが2012年に初めてトラリピを始めたのも豪ドル/円でした。
私は豪ドル/円を、スワップがプラスになる「買いだけ」で運用していました。いわば片道トラリピに近い運用です。それでも最終的には通算約37万円のマイナスで運用を終えています。
本記事では、豪ドル/円の最新の相場環境と片道トラリピの3条件による「今」の診断、そして「買いだけ」でもなぜ負けたのかを、過去の設定と実績をもとに解説します。
- 豪ドル/円の最新の値動きと金利環境(2026年10月時点)
- 片道トラリピの3条件で見た豪ドル/円の「今」の評価
- 為替コヤジが運用していた豪ドル/円の「買いのみ」設定
- 約10年間の運用実績と、コロナショックで約130万円を失った経緯
- 「買いだけ」でも負けた理由と、片道トラリピで気を付けるべきこと
豪ドル/円の特徴と最新の相場環境

まずは豪ドル/円の基本的な特徴と、2026年10月時点の相場環境を整理しておきましょう。
豪ドルは資源国通貨で、中国経済や資源価格、世界の株式市場の動向に影響を受けやすい通貨です。リスクオンの局面では上昇しやすく、世界的なショックが起きると急落しやすいという特徴があります。
| 項目 | 内容(2026年10月初旬時点) |
|---|---|
| 現在のレート | 109円台後半~110円前後 |
| トラリピの買いスワップ(1万通貨・1日あたり) | +117.7円(2026年7月時点) |
| 政策金利 | 豪州(RBA):4.60% 日本(日銀):1.25%程度 |
| トラリピの最小取引単位 | 1,000通貨 |
| スワップがプラスの方向 | 買い |
※スワップポイントは日々変動します。最新の値は必ずマネースクエアの公式サイトでご確認ください。
豪州の中央銀行(RBA)は2026年9月に今年4回目の利上げを行い、政策金利は4.60%となりました。日本との金利差は3ポイント以上あり、買いで大きなスワップを受け取れる状態です。
豪ドル/円の値動き|「60円~100円のレンジ」を大きく上回る水準に

次に、豪ドル/円の長期的な値動きを確認します。
私の旧設定は「過去20年のレンジに収まる」という前提で作っていましたが、現在のレートはその前提から大きく外れています。
旧設定の前提:過去20年は60円~100円にほぼ収まっていた

旧設定を作った当時、豪ドル/円の月足チャートは60円~100円のレンジにほぼ収まっていました。そこで中央値を80円とし、その下に買いのトラップを仕掛けていました。
2026年は35年ぶりの高値を更新
その後、豪ドル/円は円安と豪州の利上げを背景に上昇を続けました。
2026年2月には対円で35年ぶりの高値を更新し、その後も高値圏で推移しました。9月下旬には直近の高値である114円台後半から調整し、10月初旬は109円台後半~110円前後となっています。
旧設定の買いレンジ上限(80円)から見ると、30円も上で推移していることになります。
片道トラリピの3条件で診断|豪ドル/円は今、仕掛けるべきか

ここからは、片道トラリピに適した通貨ペアを選ぶ3つの条件で、今の豪ドル/円を診断します。
豪ドル/円でスワップがプラスになるのは「買い」なので、買いの片道トラリピとして評価します。
| 条件 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| ① プラススワップが大きい | ○ | 豪州(4.60%)と日本(1.25%程度)の金利差が大きく、買いスワップは先進国通貨の中でも高水準 |
| ② レンジ相場を形成している | △ | 長期的には上昇トレンドが続き、35年ぶりの高値を更新。明確なレンジとは言いにくい |
| ③ レートがレンジの端にある | × | 直近高値からは調整したものの、長期的に見れば歴史的な高値圏。買いに適した底値付近ではない |
診断結果をまとめると、スワップは魅力的だが、今の豪ドル/円は片道トラリピの候補としては見送りというのが私の判断です。
豪ドル/円は世界的なショックが起きると短期間で大きく下落する通貨ペアです。歴史的な高値圏から買いを仕掛けると、急落時に大きな含み損を抱えるおそれがあります。
実際に私は、後で紹介するように「買いだけ」の運用でも大きな損切りを経験しています。
現在の条件に合う通貨ペアは、下記の記事で紹介しています。
【過去の記録】為替コヤジの豪ドル/円「買いのみ」設定

ここからは、私が以前運用していた豪ドル/円の設定を記録として紹介します。
現在は運用しておらず、推奨設定ではありません。同じ失敗を避けるための参考としてご覧ください。
当時の設定内容
中央値80円より下に買いのトラップを仕掛けていました。当時は売りスワップが1万通貨あたり1日-100円近くと負担が大きかったため、売りは仕掛けていません。
| 設定内容 | 買い | 売り |
|---|---|---|
| レンジ | 60.10~80.00 | 仕掛けず |
| 注文金額 | 1,000通貨 | |
| トラップ本数 | 200本 | |
| トラップ間隔 | 0.1円 | |
| 利益金額 | 1,000円 | |
| 決済トレール | あり | |
| ストップロス | なし |
運用資金は250万円を想定し、自作のExcelツールで計算したロスカットレートは59.98円と、レンジ下限まで耐えられる設定でした。
約10年間の運用実績
豪ドル/円は2012年1月にトラリピを始めたときの最初の通貨ペアで、2022年9月に停止するまで約10年間運用しました。年ごとの売買損益は以下の通りです。
| 期間 | 売買損益(スワップ除く) |
|---|---|
| 2012年~2014年 | +502,400円 |
| 2015年(チャイナショック) | -302,370円 |
| 2016年~2019年 | +716,834円 |
| 2020年(コロナショック) | -1,112,147円 |
| 2021年 | +272,337円 |
| 2022年(9月に停止) | -449,581円 |
| 合計 | -372,527円 |
平常時はコツコツと利益を積み上げていましたが、2015年8月のチャイナショックで約52万円、2020年3月のコロナショックで約130万円の損切りを余儀なくされ、それまでの利益が吹き飛びました。
トラリピ全体の運用実績は、下記の記事ですべて公開しています。
「買いだけ」でも負けた理由|片道トラリピで気を付けるべき3つのこと

豪ドル/円はスワップがプラスの「買い」だけで運用していたにもかかわらず、通算ではマイナスに終わりました。
これは、方向を片道に絞るだけでは十分ではないということを示しています。片道トラリピを始める方に知っておいてほしい3つのポイントをまとめます。
1. 始める位置が高すぎると、急落で一気に含み損が膨らむ
豪ドル/円の買いは、底値付近ではなく、レンジの中ほどから上の水準でポジションを持つことが多くありました。
その状態でチャイナショックやコロナショックのような急落が起きると、短期間で大量の買いポジションが含み損を抱えることになります。片道トラリピは「レンジの端まで待ってから始める」ことが大前提です。
2. 複数通貨ペアの運用では、暴落時に口座全体の余力が足りなくなる
コロナショックのときは、豪ドル/円だけでなく他の通貨ペアも同時に含み損を抱えていました。
通貨ペアごとにロスカットレートを計算していても、口座全体で見ると余力が足りなくなり、追加入金と損切りでしのぐしかありませんでした。旧記事で「大暴落はボーナスステージ」と書いていましたが、それは十分な余力がある場合に限られるというのが実感です。
3. 豪ドル/円は「ショックに弱い」通貨ペアだと理解しておく
豪ドルはリスクオフの局面で売られやすく、円は買われやすい通貨です。そのため豪ドル/円は、世界的なショックが起きると他の通貨ペア以上に大きく下落しやすいという特徴があります。
スワップが高いことは魅力ですが、その分、急落に耐えられる資金とストップロスの位置をしっかり決めておく必要があります。
これらの失敗とその対策は、下記の記事でさらに詳しくまとめています。
よくある質問

豪ドル/円のトラリピについて、よくいただく質問にお答えします。
Q. 豪ドル/円のトラリピはもうおすすめしないのですか?
通貨ペアそのものを否定しているわけではありません。スワップの高さは大きな魅力です。ただし現在は歴史的な高値圏にあり、買いの片道トラリピを始めるタイミングではないと考えています。大きく調整して、レンジの底と言える水準まで下がってきたら改めて検討する価値はあります。
Q. 豪ドル/円の売りトラリピはどうですか?
売りは日豪の金利差が大きいため、スワップが大きなマイナスになります。片道トラリピの考え方では、売りはおすすめしません。
Q. 過去の設定をそのまま使ってもいいですか?
おすすめしません。旧設定の買いレンジ(60.10~80.00円)は現在のレートから30円も下にあり、そのまま設定しても当面は約定しません。また、ストップロスを入れていない点も現在の考え方とは異なります。
まとめ:豪ドル/円は「方向」だけでなく「始める位置」が大切

本記事では、豪ドル/円の最新の相場環境と、過去の「買いのみ」設定とその結果を紹介しました。
要点を整理すると以下の通りです。
- 豪ドル/円は買いで大きなスワップを受け取れるが、現在は歴史的な高値圏
- 片道トラリピの3条件で見ると、今は新規エントリーを見送る局面
- 旧設定は「買いのみ」でも、チャイナショックとコロナショックの損切りで通算約37万円のマイナス
- 片道トラリピは方向を絞るだけでなく、レンジの端まで待つことと十分な余力が欠かせない
- 豪ドル/円はショックに弱い通貨ペアなので、ストップロスの位置も事前に決めておく
トラリピは仕組みを正しく理解し、リスクを管理すれば、コツコツと利益を積み上げられる優れたツールです。
私の失敗を反面教師にして、ぜひ条件のそろった通貨ペアで、片道トラリピを無理なく始めてみてください。
為替コヤジが過去に運用していた全13通貨ペアの設定と、その結果は下記の記事にまとめています。
同じクロス円で、歴史的な円安により大きな損失を出した米ドル/円の記録は下記の記事で紹介しています。









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