「トラリピを始めたいのですが、どんな設定にすればいいですか?」
「ハーフ&ハーフでトラリピをやっているけど、レンジアウトして含み損が増えてきた…。このままで大丈夫?」
本記事ではこんな悩みを解決します。
私・為替コヤジは2012年からトラリピを運用し、多いときには12通貨ペアを同時に動かしていました。
本記事では、私が最後に運用していた13通貨ペア分のトラリピ設定を「記録」として公開し、その設定がその後どうなったのかを停止時期や損切り額まで包み隠さずお伝えします。
そのうえで、14年間の運用でたどり着いた結論である「片道トラリピ」の考え方も解説します。
設定をそのまま真似するためではなく、同じ失敗をせずにトラリピで成果を出すための教材として読んでいただければ幸いです。
- 今からトラリピを始めるなら「片道トラリピ」をおすすめする理由
- 為替コヤジの運用方針の変化(旧方針と現在の考え方)
- 為替コヤジが最後に運用していた13通貨ペアのトラリピ設定
- 旧設定のその後(停止時期・損益・現在のレートとの比較)
- 累計1,600万円超のマイナスから学んだ5つの教訓
- これからトラリピを始める人の資金・設定・開始タイミングの考え方
結論:今からトラリピを始めるなら「片道トラリピ」

最初に結論からお伝えします。
私がこれからトラリピを始めるとしたら、ハーフ&ハーフではなく片道トラリピを選びます。
片道トラリピとは、スワップポイントがプラスになる方向(買いだけ、または売りだけ)にのみトラップを仕掛ける戦略です。
ハーフ&ハーフはレンジの中央より上に売り、下に買いを仕掛けるため、相場がどちらにレンジアウトしても片側はマイナススワップを払い続けることになります。
一方、片道トラリピなら相場が逆行してもスワップを受け取りながら反転を待てるので、精神的にも資金的にもダメージを抑えやすくなります。
| 比較項目 | 片道トラリピ(現在推奨) | ハーフ&ハーフ(旧設定) |
|---|---|---|
| 仕掛ける方向 | スワップがプラスの一方向のみ | 買いと売りの両方向 |
| レンジアウト時 | スワップを受け取りながら待てる | 逆側はスワップ支払いが続く |
| エントリー機会 | 少ない(レンジの端を待つ) | 多い(いつでも始められる) |
| 精神的な負担 | 小さい | 大きい |
片道トラリピで成果を出すには、通貨ペア選びが最も重要です。私は次の3つの条件がそろったときだけエントリーするようにしています。
- プラススワップが大きい
- レンジ相場を形成している(買いなら底が固い、売りなら天井が固い)
- レートがレンジの端にある(買いなら底付近、売りなら天井付近)
片道トラリピの仕組みや、現在の具体的なおすすめ通貨ペアは下記の記事で詳しく解説しています。

ここから先は「なぜ片道トラリピにたどり着いたのか」の記録です。ハーフ&ハーフで運用中の方は、ぜひ自分の設定と照らし合わせながら読んでみてください。
為替コヤジのトラリピ運用方針はどう変わったか?

かつての私は「相場を予想せず、広いレンジにトラップを仕掛けておけば低リスクで利益を積み上げられる」と考えていました。
しかし14年間の運用を通じて、その前提のいくつかは相場環境によって簡単に崩れることを身をもって学びました。
旧方針と現在の考え方を並べると、次のようになります。
| 旧方針 | 現在の考え方 | 見直した理由 |
|---|---|---|
| ロスカットしない | ストップロスを入れる | レンジアウト後にポジションが塩漬けになり、資金拘束とスワップ支払いが何年も続いたため |
| 過去20年の最高値から最安値まで幅広く仕掛ける | 広いレンジを想定しつつ、レンジの端から片道で仕掛ける | 過去20年のレンジでさえ更新されることがあるため |
| 複数の通貨ペアでリスクを分散する | 1通貨ペアからでもOK | 円安局面でクロス円が一斉に同じ方向へ動き、分散効果が働かなかったため |
| ハーフ&ハーフで証拠金と含み損を減らす | 片道トラリピ | レンジアウトした側のマイナススワップが損失を大きく膨らませたため |
| マイナススワップの大きい通貨ペアは外す | スワップがプラスになる方向にだけ仕掛ける | 「外す」だけでは不十分で、逆側のポジションでもスワップを払っていたため |
トラリピ(マネースクエア)そのものの仕組みやメリット・デメリットについては、下記の記事をご覧ください。
為替コヤジが最後に運用していたトラリピ設定一覧(13通貨ペア)

ここからは、私が最後に運用していたトラリピ設定を通貨ペアのグループごとに紹介します。
いずれも現在は運用を停止しており、推奨設定ではありません。過去の記録としてご覧ください。
なお、すべての通貨ペアで共通の設定は以下の通りです。
- 注文金額:1,000通貨(1トラップあたり)
- 決済トレール:あり
- ストップロス:なし
- レンジの決め方:過去20年の月足チャートの中央値を境に、上に売り・下に買い(ハーフ&ハーフ)
また2021年からは、中央値付近にトラップを追加で重ねる「コアレンジ」を一部の通貨ペアで採用していました。コアレンジはベースと同じ間隔のトラップを、ベースのトラップの間に交互に配置したもので、重なる価格帯では実質的にトラップ間隔が半分になります。

ちなみにこの頃の設定で臨んだ「第3回 トラリピ・マスターズ」では31位と健闘しました。それだけに、その後の相場の変化には大いに考えさせられました。
#トラリピマスターズ は最後伸び悩んで31位フィニッシュでした😊
🔽為替コヤジの #トラリピ 設定https://t.co/RxqqyfINI6#投資#投資初心者#資産運用#不労所得#自動売買 pic.twitter.com/qBBrVkgzDv
— 為替コヤジ💰ほったらかし投資 (@kawase_koyaji) March 14, 2021
世界戦略の3通貨ペア(2026年に全決済・整理)
最後まで運用していたのが、豪ドル/NZドル、ユーロ/英ポンド、米ドル/カナダドルの3通貨ペアです。
いずれもレンジ相場になりやすいと言われる通貨ペアで、マネースクエア公式の「トラリピ世界戦略」とレンジを合わせていました。
過去20年のレンジは広すぎたため、豪ドル/NZドルは2014年以降、ユーロ/英ポンドは2008年以降、米ドル/カナダドルは2015年以降の値動きをベースにレンジを決めています。
| 通貨ペア | 買いレンジ | 売りレンジ | 本数(各) | トラップ間隔 | 利益金額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 豪ドル/NZドル | ベース:1.0010~1.0700(70本) コア:1.0410~1.0700(30本) |
ベース:1.0710~1.1400(70本) コア:1.0710~1.1000(30本) |
100本 | 0.001 NZドル | 8 NZドル |
| ユーロ/英ポンド | 0.7510~0.8500 | 0.8510~0.9500 | 100本 | 0.001 英ポンド | 8 英ポンド |
| 米ドル/カナダドル | 1.2010~1.3000 | 1.3010~1.4000 | 100本 | 0.001 カナダドル | 8 カナダドル |
なお豪ドル/NZドルは、中央値に近い価格帯(買いは1.0410~1.0700、売りは1.0710~1.1000)にコアレンジをベースと同じ価格で重ねていました。そのためこの価格帯では、1つの価格につき2,000通貨分の注文が入る設定です。
クロス円6通貨ペア(2022年〜2025年に停止・損切り)
トラリピを始めた当初から主力だったのがクロス円です。
豪ドル/円とカナダドル/円は、当時の売りスワップの負担が大きかったため買いのみ(片側)で運用していました。
英ポンド/円は値動きが大きいため、他の通貨ペアより広い0.4円間隔にしていました。
| 通貨ペア | 買いレンジ(本数) | 売りレンジ(本数) | トラップ間隔 | 利益金額 |
|---|---|---|---|---|
| 豪ドル/円 | 60.10~80.00(200本) | 仕掛けず | 0.1円 | 1,000円 |
| カナダドル/円 | 70.10~95.00(250本) | 仕掛けず | 0.1円 | 1,000円 |
| 米ドル/円 | ベース:75.10~99.90(125本) コア:90.20~100.00(50本) |
ベース:100.10~124.90(125本) コア:100.20~110.00(50本) |
0.2円 (コアと重なる範囲は実質0.1円) |
1,000円 |
| ユーロ/円 | ベース:90.10~124.90(175本) コア:115.20~125.00(50本) |
ベース:125.10~159.90(175本) コア:125.20~135.00(50本) |
0.2円 (コアと重なる範囲は実質0.1円) |
1,000円 |
| NZドル/円 | ベース:50.10~69.90(100本) コア:65.20~70.00(25本) |
ベース:70.10~89.90(100本) コア:70.20~75.00(25本) |
0.2円 (コアと重なる範囲は実質0.1円) |
1,000円 |
| 英ポンド/円 | ベース:110.10~149.70(100本) コア:140.30~149.90(25本) |
ベース:150.10~189.70(100本) コア:150.30~159.90(25本) |
0.4円 (コアと重なる範囲は実質0.2円) |
1,000円 |
ドルストレート4通貨ペア(2024年〜2025年に損切り)
米ドルが絡む通貨ペア(ドルストレート)は、クロス円と値動きを分散させる目的で2019年以降に追加しました。
英ポンド/米ドルは、英ポンド/円と同じくリーマンショック以降の値動きをベースにレンジを決めています。
| 通貨ペア | 買いレンジ(本数) | 売りレンジ(本数) | トラップ間隔 | 利益金額 |
|---|---|---|---|---|
| ユーロ/米ドル | ベース:1.0010~1.2490(125本) コア:1.1520~1.2500(50本) |
ベース:1.2510~1.4990(125本) コア:1.2520~1.3500(50本) |
0.002ドル (コアと重なる範囲は実質0.001ドル) |
10ドル |
| 豪ドル/米ドル | ベース:0.5510~0.7990(125本) コア:0.7520~0.8000(25本) |
ベース:0.8010~1.0490(125本) コア:0.8020~0.8500(25本) |
0.002ドル (コアと重なる範囲は実質0.001ドル) |
10ドル |
| 英ポンド/米ドル | ベース:1.1010~1.3990(150本) コア:1.3020~1.4000(50本) |
ベース:1.4010~1.6990(150本) コア:1.4020~1.5000(50本) |
0.002ドル (コアと重なる範囲は実質0.001ドル) |
10ドル |
| NZドル/米ドル | 0.5010~0.6500(150本) | 0.6510~0.8000(150本) | 0.001ドル | 8ドル |
通貨ペアごとの詳しい設定内容や、当時のレンジの決め方は各通貨ペアの記事にまとめています。
>>トラリピ向きの通貨ペアとは?片道トラリピに適した通貨ペアの選び方
>>トラリピで1,726万円の大損!為替コヤジがトラリピ運用で失敗した5つの理由とその対策
>>トラリピの「リスクシミュレーション」機能とは?複数通貨ペア運用時のロスカットレート算出方法と注意点を解説
>>トラリピ運用試算表の正しい見方|ロスカットレートの計算方法を徹底解説
>>相場が動かず、トラリピが決済されないときに試したい5つの対策
旧設定のその後|停止時期・損益・現在のレート

では、上記の設定はその後どうなったのでしょうか。
結論から言うと、13通貨ペアすべてが停止・決済となり、2026年8月末時点のトラリピ通算成績は約1,639万円のマイナスです。
通貨ペアごとの停止時期と損益、そして現在のレートを旧レンジと比べたのが下の表です。
| 通貨ペア | 停止・決済の時期 | 主な損益(売買損益) | 2026年10月初旬のレート | 旧レンジとの関係 |
|---|---|---|---|---|
| 豪ドル/円 | 2022年9月に停止 | 2020年3月に約-130万円 2022年9月に約-48万円 |
約109~110円 | 買いレンジ上限(80円)を大きく上回る |
| カナダドル/円 | 2022年9月に停止 | 2022年9月に約-3万円 | 約110~111円 | 買いレンジ上限(95円)を上回る |
| 米ドル/円 | 2022年3月に新規停止 2025年4月以降に段階的に損切り |
通算 約-335万円 | 約158円 | 売りレンジ上限(124.90円)を30円以上上回る |
| ユーロ/円 | 2022年9月に停止→10月に再開 2025年11月に損切り |
2022年9月に約-52万円 2025年11月に約-41万円 |
約178円 | 売りレンジ上限(159.90円)を上回る |
| NZドル/円 | 2022年9月に停止 | 2022年9月に約-57万円 | 約89円 | 売りレンジ上限(89.90円)付近 |
| 英ポンド/円 | 2022年9月に停止 | 2022年9月に約-14万円 | 約208~209円 | 売りレンジ上限(189.70円)を上回り、200円台に |
| ユーロ/米ドル | 2024年4月に損切り | 約-106万円 | 約1.12ドル | レンジ内 |
| 豪ドル/米ドル | 2024年7月に損切り | 約-59万円 | 約0.69ドル | レンジ内 |
| 英ポンド/米ドル | 2024年7月に損切り | 約-50万円 | 約1.32ドル※ | レンジ内 |
| NZドル/米ドル | 2025年11月に損切り | 約-13万円 | 約0.56ドル | レンジ内 |
| 豪ドル/NZドル | 2026年に新規停止・損切りで整理中 | 2020~2025年:約+122万円 2026年1~8月:約-194万円 |
約1.23~1.24※ | 売りレンジ上限(1.1400)を大きく上回る |
| ユーロ/英ポンド | 2026年4月に全決済 | 通算 約+35万円 | 約0.85※ | レンジ内 |
| 米ドル/カナダドル | 2026年7月に全決済 | 通算 約+27万円 | 約1.42~1.43※ | 売りレンジ上限(1.4000)を上回る |
※損益は為替コヤジの運用実績(通貨ペア別の売買損益。スワップ損益は含まず)から算出。レートは2026年10月1日~2日の市場レートの概算で、「※」は対円レートから算出したクロスレートです。
表を見ると、旧設定の弱点がはっきりと分かります。
大きな損失が出たのは、円安やドル高によって「レンジを上抜けた」通貨ペアです。特に米ドル/円は、過去20年のレンジ(75円~125円)を大きく超えて150円台が定着しました。
また、世界戦略の中でも安定していると言われた豪ドル/NZドルは、2020年から2025年にかけて約122万円を積み上げたものの、2026年に1.13を大きく上抜けたことで、わずか8か月で5年分の利益を上回る損失となりました。
2012年1月から2026年8月までのトラリピ全体の成績は以下の通りです。
| 項目 | 金額(2012年1月~2026年8月) |
|---|---|
| 売買損益 | -10,883,618円 |
| スワップ損益 | -2,491,337円 |
| 評価損益(2026年8月末) | -3,014,925円 |
| 合計 | -16,389,880円 |
年別・月別の詳しい運用実績は、下記の記事ですべて公開しています。
旧設定から学んだ5つの教訓

ここからは、14年間・累計1,600万円超のマイナスから学んだ教訓を5つにまとめます。
どれも「当時の私が知っていれば…」と思うものばかりです。これからトラリピを始める方も、すでに運用している方も、ぜひ自分の設定と照らし合わせてみてください。
教訓1:「過去20年のレンジ」は将来を保証しない
旧設定は「過去20年の最高値から最安値までトラップを仕掛ければ、ロスカットされずに耐えられる」という前提で作っていました。
しかし米ドル/円は過去20年のレンジ上限だった125円を超え、2026年には一時160円台まで上昇しました。英ポンド/円も「リーマンショック以降200円を超えていない」という前提でレンジを決めていましたが、現在は200円台で推移しています。
過去のレンジは「目安」にすぎず、いつかは必ず更新されると考えておく必要があります。
教訓2:ハーフ&ハーフはレンジアウトした側でスワップを払い続ける
ハーフ&ハーフは、レンジの上半分に売り、下半分に買いを仕掛けるため、どちらにレンジアウトしても片側のポジションが残ります。
そのポジションがマイナススワップの方向だと、含み損に加えて毎日スワップを支払い続けることになります。
実際、私のスワップ損益は2025年に約-195万円、2026年1~8月に約-213万円となり、損切りの判断が遅れるほど負担が膨らみました。
ハーフ&ハーフの仕組みとリスクについては下記の記事で詳しく解説しています。
教訓3:通貨ペアを増やしても分散にならないことがある
旧方針では「複数の通貨ペアで運用すれば値動きがバラバラになり、損益の振れ幅が小さくなる」と考えていました。
ところが2022年の急激な円安では、クロス円が一斉に同じ方向へ動き、2022年9月には豪ドル/円、ユーロ/円、NZドル/円、カナダドル/円、英ポンド/円の5通貨ペアをまとめて損切りすることになりました。
通貨ペアの「数」ではなく、共通する通貨(円や米ドル)にどれだけ偏っているかを意識しないと、分散したつもりで同じリスクを重ねてしまいます。
教訓4:「ロスカットしない」は塩漬けと紙一重
ストップロスを入れず、資金でロスカットに耐える方針は「いつか戻ってくる」相場では強みになります。
しかし戻ってこなかった場合、資金は何年も拘束され、スワップの支払いも続きます。米ドル/円は2022年3月に新規注文を止めてから4年以上たった現在も、損切りによる整理が続いています。
現在の私は、片道トラリピであってもストップロスを設定して「ここまで来たら撤退する」という出口を最初に決めるようにしています。
教訓5:大暴落が「ボーナスステージ」になるのはレンジ内だけ
旧記事では「広範囲にトラップを仕掛けておけば、一気に下がって一気に戻る大暴落はボーナスステージになる」と書いていました。
確かに2019年1月のアップルショック(フラッシュクラッシュ)では、1か月で約38万円の決済益を得ています。
一方で2020年3月のコロナショックでは、豪ドル/円だけで約130万円の損切りを余儀なくされました。急落してすぐ戻る相場ならチャンスですが、レンジを抜けたまま戻らなければピンチになるというのが実感です。
これらの失敗とその対策は、下記の記事でさらに詳しくまとめています。
旧設定で想定していた必要資金(2009年1月の再現シミュレーション)

旧設定を運用していた当時、どのくらいの資金があれば大暴落に耐えられるかを試算していました。参考までにその内容を記録として残しておきます。
当時はクロス円の売りを仕掛けていなかったため(米ドル/円などのハーフ&ハーフは停止済み)、極端な円高を最大のリスクと考えていました。
そこで過去20年で最も円高が進んだリーマンショック後の2009年1月の状態を、トラリピのリスクシミュレーションで再現しています。対象は当時運用していた6通貨ペアで、価格は条件を厳しくするために2009年1月のうち中央値から最も離れたレートを使いました。
| 通貨ペア | レンジ | 価格 |
|---|---|---|
| ユーロ/英ポンド | 売り | 0.96493 |
| 豪ドル/円 | 買い | 56.33 |
| 豪ドル/NZドル | 売り | 1.2805 |
| NZドル/米ドル | 買い | 0.5049 |
| カナダドル/円 | 買い | 68.42 |
| 米ドル/カナダドル | 買い | 1.1756 |
シミュレーションの結果、評価損益は-9,760,900円、必要証拠金は3,220,140円で、合計12,981,040円となりました。
つまり当時は約1,300万円あればリーマンショック級の円高に耐えられると考え、2023年1月時点で預託証拠金1,380万円で運用していました。


皮肉なことに、実際に大きな損失をもたらしたのは想定していた「円高・下落」ではなく、「円安・上昇」と「豪ドル/NZドルのレンジ上抜け」でした。シミュレーションは想定したシナリオにしか答えてくれない、ということも大きな学びです。
リスクシミュレーションの使い方と注意点は下記の記事で解説しています。
これからトラリピを始める人の資金と設定の考え方

旧設定のように1,000万円を超える資金を用意する必要はありません。
ここでは、これからトラリピを始める方に向けて、片道トラリピを前提とした資金と設定の考え方を紹介します。
片道トラリピなら30万~50万円程度から始められる
片道トラリピは一方向にしか仕掛けないため、ハーフ&ハーフで複数通貨ペアを動かすよりも少ない資金で始められます。
通貨ペアやレンジ幅、トラップ本数によって変わりますが、30万~50万円程度からスタートする方が多い印象です。
ただし、トラリピはあくまでサテライト投資です。私は運用資金全体の10%以内にとどめることをおすすめしています。
運用資金は「ロスカットレート」から逆算する
トラリピの資金を決めるときに大切なのは、先に「どこまで耐えるか」を決め、そのために必要な資金を逆算することです。
トラリピ運用試算表を使えば、レンジや本数、運用資金からロスカットレートを確認できます。片道トラリピでは、想定レンジの外側にストップロスを置いておくと、レンジを大きく抜けたときの損失を限定できます。
資金が少ないときは「通貨ペアを絞る」か「トラップ間隔を広げる」
資金が少ない場合の対策は、主に次の4つです。
- 通貨ペアを減らす
- トラップ間隔を広げる(トラップ本数を減らす)
- 注文金額を減らす
- トラップを仕掛けるレンジを狭くする
このうち、私がおすすめするのは「通貨ペアを減らす」と「トラップ間隔を広げる」の2つです。
片道トラリピなら1通貨ペアから始めても問題ありません。またトラップ間隔を2倍にすれば必要資金はおよそ半分に、4倍にすればおよそ1/4になります。
トラリピの注文金額は1,000通貨が最小単位のため、すでに1,000通貨で設定している場合はそれ以上減らせません。
一方、レンジを狭くする対策はおすすめしません。レンジを狭めると資金効率は上がって見えますが、レンジアウトしやすくなり、トラリピが止まったまま含み損だけが残るリスクが高まります。
トラップ間隔は最終形をイメージして決める
最初は資金に合わせて広い間隔で仕掛け、資金が増えたらトラップを追加していく方法もあります。その場合は、最終的な間隔をイメージしておくことが大切です。

左の図は、最初に●にトラップを仕掛け、次に●にトラップを追加した場合の位置を示しています。
最初に0.2円や0.4円間隔で仕掛けた場合は、追加したトラップ(●)が等間隔に並びます。
ところが最初に0.5円間隔で仕掛けてしまうと、あとからトラップを追加しても等間隔に並べることができません。
最終的に0.1円間隔にしたいなら、暫定の間隔は0.2円、0.4円、0.8円のように2倍ずつにしておきましょう。
なお、トラリピ以外のリピート系自動売買と比較してから決めたい方は、下記の記事も参考にしてください。
トラリピはいつ始めるべきか?

かつての私は「ロスカットせずに利益を積み上げるので、できるだけ早く始めるのが理想」と考えていました。
現在の考え方は少し違います。片道トラリピでは、レートがレンジの端に来るまで待ってから始めるのが基本です。
- 買いの片道トラリピ:レートがレンジの底付近に来たときに開始
- 売りの片道トラリピ:レートがレンジの天井付近に来たときに開始
レンジの中央で始めると、開始直後に一方向へ動いたときに含み損を抱えやすくなります。一方、レンジの端から始めれば、レートが中央に戻るにつれて利益が積み上がりやすくなります。

ただし、端から始めても絶対に安全というわけではありません。
旧記事では、豪ドル/NZドルの売りトラリピについて「レンジの天井である1.1300付近で始めれば、上がっても上昇は限定的」と書いていました。しかし実際には2026年に1.23台まで上昇しています。
だからこそ、スワップがプラスの方向にだけ仕掛け、ストップロスで出口も決めておくことが大切です。エントリーのタイミングが来なければ、無理に仕掛ける必要はありません。
よくある質問

最後に、トラリピの設定についてよくいただく質問にお答えします。
Q. 為替コヤジの旧設定をそのまま真似してもいいですか?
おすすめしません。本記事で紹介した設定は、現在のレートが旧レンジを大きく外れている通貨ペアが多く、ハーフ&ハーフで同じように仕掛けるとマイナススワップの方向にポジションを持つことになります。過去の記録として参考にしつつ、これから始めるなら片道トラリピを検討してください。
Q. 世界戦略(豪ドル/NZドル・ユーロ/英ポンド・米ドル/カナダドル)はもう使えないのですか?
3通貨ペアともレンジ相場を形成しやすい特徴はありますが、私の運用では豪ドル/NZドルと米ドル/カナダドルがレンジを上抜けました。ハーフ&ハーフで運用する場合は、レンジアウト時のスワップ負担とストップロスの位置を必ず確認しておきましょう。なお片道トラリピの記事では、2026年上期の候補としてユーロ/英ポンドの売りを紹介しています。
Q. 何通貨ペアから始めればいいですか?
片道トラリピなら1通貨ペアから始めても問題ありません。複数の通貨ペアを組み合わせる場合は、同じ通貨(円や米ドルなど)に偏っていないかを確認しましょう。
Q. 為替コヤジは今もトラリピを運用していますか?
トラリピの新規運用は終了しており、残っているポジションを整理しながら、FXはスワップ投資を中心にする方針です。ただし「今からトラリピを始めるならどうするか」と聞かれれば、片道トラリピを選びます。
まとめ:旧設定の失敗を活かし、片道トラリピで始めよう

本記事では、為替コヤジが最後に運用していた13通貨ペアのトラリピ設定と、その後の結果、そこから学んだ教訓を紹介しました。
要点を整理すると以下の通りです。
- 本記事の設定は過去の記録であり、現在は採用していない
- 旧設定は13通貨ペアすべてが停止・決済となり、通算成績は約1,639万円のマイナス(2026年8月末時点)
- 大きな損失の原因は「レンジの上抜け」と「ハーフ&ハーフのマイナススワップ」
- 今から始めるなら、スワップがプラスの方向にだけ仕掛ける片道トラリピがおすすめ
- 資金はロスカットレートから逆算し、運用資金全体の10%以内にとどめる
- エントリーはレンジの端まで待ち、ストップロスで出口も決めておく
トラリピは仕組みを正しく理解し、リスクを管理すれば、コツコツと利益を積み上げられる優れたツールです。
私の失敗を反面教師にして、ぜひ片道トラリピで無理のない自動売買を始めてみてください。














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