あなたは今、買いのポジションを持っていたとしましょう。日中、仕事や家事でレートを見られない場合にどうしますか?
今決済しないのであれば、逆指値やOCOを出しておくのがリスク管理上は有効です。
ところが逆指値を出していた場合、一旦は値上がりしたけれども、その後値下がりし、逆指値にヒットしてしまったり、また、OCOの場合には、指値のレートまで上がり決済されましたが、その後も引き続き値上がりしたという経験はありませんか?
FX経験者なら誰しもが経験していることだと思いますが、こんな場面で威力を発揮するのがトレール注文です。
トレール注文とは?
トレール注文とは、レートの上昇・下落を追跡して、自動的に決済注文価格が変動する決済専用の注文方法です。
相場が有利な方向(利益が増加または損失が減少する方向)に動いた場合には、決済価格も相場を追跡して有利な価格に変更されます。
相場が不利な方向(利益が減少または損失が増加する方向)に動いた場合には、変動せず最後に変更された価格に留まります。
トレール注文では、この相場に追随する値幅(トレール幅)を設定して注文します。
買いポジションを持っている場合
例えば、買のポジションを持っているときに「トレール幅=50銭(pips)」でトレール注文を出したとします。
レートが上昇(有利方向に変動)した場合は、決済価格も現在レートから50銭の幅を保って一緒に上昇していきます。レートが下落(不利方向へ変動)した場合は、決済価格は変わりません。
レートが有利に動く限りその利益を追っていくことができ、一番有利になったレートから50銭下回ったところで決済することが可能なのです。
売りポジションを持っている場合
逆に売のポジションに対して「トレール幅=50銭(pips)」でトレール注文を出したとすると、レートが 下落(有利方向に変動)し続ける限りは決済されず、レートが最安値から50銭上昇(不利方向に変動)した場合に決済されます。
トレール注文の成否はトレール幅次第
一見、いいこどづくめのトレール注文ですが、実はトレール幅をどのくらいとるかでその効果は大きく異なります。
トレール注文は逆指値と同様の効果がありますので、激しく動いているときにトレール幅を狭くしすぎるとすぐに決済(損切)になってしまいます。
逆に、なるべく決済されないようにトレール幅を広くしすぎると、取れていたはずの利益が少なくなったり、損切となったりする場合があります。
このようにトレール注文は利益を最大化できるという点で最強発注方法と言えますが、トレール幅の設定を見誤ると逆に利益を取りこぼすことにもなります。
トレール注文対応シストレはこの2社
トレール注文に対応しているシストレはトラリピとオートレールの2つがあります。
トラリピのトレール注文
トラリピのトレール注文は「決済トレール」と呼ばれており、レンジ相場向きとされていたトラリピ戦略に決済トレールが加わることで、トレンド相場でも利益の追求をねらうことが可能となります。
M2Jによるバックテストではトレンド相場では値幅0.2円の決済トレールを設定した場合、しない場合の約2倍の利益となっています。
オートレールのトレール注文
オートレールは、トレール注文を一定のルールに従い、単純に連続させる発注です。
連続させるルールは、あらかじめトレーダーが設定したトリガー価格へ実勢レートが差し掛かった時に、トレール注文の新規が発動します。
複数のトリガー価格を設定するのが一般的ですが、トリガー価格に実勢レートが差し掛かる度に個別のトレール注文が発生します。
まとめ
トラリピもオートレールもトレール機能が実装されていますが、大きな違いが2つあります。
- トラリピはトレール値幅は20pips固定ですが、オートレールは任意の値を設定できます
- トラリピのトレール機能は決済時に発動されるが、オートレールでは新規発注時に発動します
トレール機能を使いこなすためにこの違いを上手く活用しましょう。
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