「ユーロ/米ドルでトラリピをやるなら、買いと売りのどちらがいいですか?」
「片道トラリピが気になるけど、ユーロ/米ドルはいつ始めればいいの?」
本記事ではこんな悩みを解決します。
ユーロ/米ドル(EUR/USD)は世界で最も取引量の多い通貨ペアで、トラリピでも人気の高い通貨ペアです。
私・為替コヤジは2019年から2024年までユーロ/米ドルをハーフ&ハーフで運用していましたが、最終的に損切りで運用を終えました。その経験から、現在はユーロ/米ドルならスワップがプラスになる「売り」だけを仕掛ける片道トラリピをおすすめしています。
本記事では、ユーロ/米ドルの特徴と最新の相場環境、片道トラリピの3条件による診断、設定の考え方、そして過去の運用記録までをまとめて解説します。
- ユーロ/米ドルが片道トラリピ(売り)と相性がいい理由
- ユーロ/米ドルの最新の値動きとスワップポイント(2026年10月時点)
- 片道トラリピの3条件で見た「今」のエントリー判断
- ユーロ/米ドルで片道トラリピを設定するときの考え方
- 為替コヤジの過去のハーフ&ハーフ設定と、その結果
ユーロ/米ドルが片道トラリピ(売り)と相性がいい理由

まずはユーロ/米ドルの基本的な特徴を整理しておきましょう。
片道トラリピでは「どちらの方向に仕掛けるとスワップがプラスになるか」が最も重要です。ユーロ/米ドルの場合、米国の政策金利がユーロ圏より高いため、売りでスワップを受け取れる状態が続いています。
| 項目 | 内容(2026年10月初旬時点) |
|---|---|
| 現在のレート | 1.12ドル台(約1年5か月ぶりの安値圏) |
| トラリピのスワップ(1万通貨・1日あたり) | 売り:+56円/買い:-90円(2026年8月時点の集計) |
| 政策金利 | 米国(FRB):3.75~4.00% ユーロ圏(ECB):預金ファシリティ金利2.50% |
| トラリピの最小取引単位 | 1,000通貨 |
| 片道トラリピの方向 | 売り(スワップがプラスの方向) |
※スワップポイントは日々変動します。最新の値は必ずマネースクエアの公式サイトでご確認ください。
2026年はFRBもECBも利上げに動いていますが、9月時点で米国の政策金利の方が1ポイント以上高く、売りポジションを持てば毎日スワップを受け取れる構図は変わっていません。
これが、ユーロ/米ドルを片道トラリピの「売り」で検討する最大の理由です。
片道トラリピの基本的な仕組みは下記の記事で詳しく解説しています。
ユーロ/米ドルの値動き|過去20年と直近の推移

次に、ユーロ/米ドルがどのような範囲で動いてきたのかを確認します。
片道トラリピでは「売りなら天井が固いか」「今のレートがレンジのどこにあるか」が判断の鍵になるため、長期と短期の両方の値動きを見ておくことが大切です。
過去20年は1.00ドル前後~1.60ドル前後

ユーロ/米ドルは、2008年に1.60ドル近辺の高値をつけた後、長期的にはユーロ安・ドル高の流れが続きました。
2022年には米国の急速な利上げを背景に、1ユーロ=1ドルの「パリティ」を割り込む場面もありました。
旧記事では「1.00~1.50ドルのレンジにほぼ収まっている」と書いていましたが、実際にはその下限を一時的に割り込んでいます。過去のレンジはあくまで目安で、いつか更新されることがあるという点は意識しておきましょう。
直近1年は1.12~1.19ドル前後で推移
直近では、2025年初めにパリティ割れも意識されていたユーロ/米ドルが、2025年9月には一時1.19ドル台まで上昇しました。
2026年に入ってからは、中東情勢を受けたエネルギー高などを背景にFRBが約3年ぶりの利上げに踏み切り、ドル高が進んでいます。9月末には年初来安値を更新し、10月初旬は1.12ドル台と約1年5か月ぶりの安値圏で推移しています。

2026年2月に片道トラリピの記事でユーロ/米ドルの売りを紹介したときは、レートがレンジの天井付近にありました。そこから大きく下がったので、売りで仕掛けていれば決済益とスワップの両方を得られた計算です。
片道トラリピの3条件で診断|2026年10月時点のエントリー判断

ここからは、片道トラリピに適した通貨ペアを選ぶ3つの条件で、今のユーロ/米ドル(売り)を診断します。
3つの条件がすべてそろったときが理想のエントリータイミングです。
| 条件 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| ① プラススワップが大きい | ○ | 売りで1万通貨あたり1日+56円。米国の政策金利の方が高い状態が続いている |
| ② レンジ相場を形成している | △ | 2025年後半以降はおおむね1.12~1.19ドル前後で推移。ただし米欧の利上げ動向しだいでレンジが崩れる可能性がある |
| ③ レートがレンジの端にある | × | 現在は1.12ドル台とレンジの下側(底付近)にあり、売りに適した天井付近ではない |
診断結果をまとめると、スワップの条件は満たしているものの、今は売りを新規で始めるタイミングではないと私は判断しています。
売りの片道トラリピはレンジの天井付近から始めるのが基本です。底付近の今から売りを仕掛けると、反発したときに含み損を抱えながらスタートすることになります。
レートがレンジの上側に戻ってくるまで待つか、その間は他の通貨ペアを検討するのがよいでしょう。条件がそろわないときは、無理に仕掛けないことも片道トラリピの大切なルールです。
他の通貨ペアの候補や選び方は、下記の記事で解説しています。
ユーロ/米ドルで片道トラリピを設定するときの考え方

エントリーのタイミングが来たときに慌てないよう、ユーロ/米ドルで片道トラリピを設定するときの考え方を整理しておきます。
具体的な数値は相場環境と資金によって変わるため、ここでは設定を決める手順を中心に解説します。
1. 方向は「売り」だけ
片道トラリピの大原則は、スワップがプラスになる方向にだけ仕掛けることです。
現在のユーロ/米ドルは売りでスワップを受け取れるため、売りのみで設定します。ただし、米欧の金利差が縮まってスワップがマイナスに転じた場合は、方針を見直す必要があります。
2. レンジは「天井付近から上」に設定する
売りの片道トラリピは、レンジの天井付近を起点に、それより上にトラップを仕掛けます。
天井の目安は、直近1~2年の高値(2025年9月の1.19ドル台など)を参考にしつつ、それを上抜けた場合にも耐えられるよう余裕を持たせておきましょう。
レンジを狭くしすぎると、少し上抜けただけでトラップがなくなり、含み損だけが残ってしまいます。
3. トラップ間隔と利益金額は「最終形」を意識する
私が以前運用していた設定では、トラップ間隔は0.002ドル、利益金額は10ドル(1,000通貨あたり)にしていました。
資金が限られている場合は、最初は間隔を広めにして、資金が増えたらトラップを追加する方法もあります。その場合は、追加後も等間隔に並ぶよう0.002ドル→0.001ドルのように2倍・半分の関係で決めておくと管理しやすくなります。
4. ストップロスで「出口」を決めておく
旧設定ではストップロスを入れずに運用していましたが、結果として損切りの判断が遅れ、損失を大きくしてしまいました。
現在の私は、片道トラリピでもストップロスを設定し、想定レンジを大きく上抜けたら撤退することをおすすめしています。
5. 運用資金は「どこまで耐えるか」から逆算する
運用資金は、先に「どの価格まで耐えるか(ロスカットレート)」を決め、そのために必要な金額を逆算して決めます。
片道トラリピは30万~50万円程度から始める方が多いですが、通貨ペアやレンジ、本数によって必要資金は大きく変わります。トラリピ運用試算表で確認したうえで、運用資金全体の10%以内にとどめるのがおすすめです。
6. 決済トレールは相場に合わせて使い分ける
決済トレールは、レートが利益方向に大きく動いたときに利益を伸ばせる機能です。
ボラティリティの大きい相場では効果を発揮しますが、値動きが小さい相場では利益を削ることもあります。私は基本的に付けたままにしていました。
ユーロ/米ドルの片道トラリピはいつ始めるべきか?

旧記事では「ロスカットせずに利益を積み上げるので、できるだけ早く始めるのが理想」と書いていました。
しかし片道トラリピでは、レートがレンジの天井付近に来るまで待つのが基本です。
天井付近から売りを始めれば、レートがレンジの中央に戻るにつれて決済益とスワップの両方が積み上がります。万が一上抜けても、端から始めていれば含み損は膨らみにくくなります。
2026年10月初旬のユーロ/米ドルは底付近にあるため、売りの片道トラリピは「待ち」の局面です。レートが再びレンジの上側に戻ってきたときが、次のチャンスになります。
【過去の記録】為替コヤジのユーロ/米ドル ハーフ&ハーフ設定

ここからは、私が以前運用していたユーロ/米ドルのハーフ&ハーフ設定を記録として紹介します。
現在は運用しておらず、推奨設定ではありません。同じ失敗を避けるための参考としてご覧ください。
当時の設定内容
過去20年のチャートの中央値1.2500ドルを境に、下に買い、上に売りを仕掛けていました。2021年からは中央値付近に「コアレンジ」を追加し、ベースレンジのトラップの間に交互に配置することで、重なる範囲は実質0.001ドル間隔になるようにしていました。
| 設定内容 | 買い | 売り |
|---|---|---|
| レンジ | ベース:1.0010~1.2490 コア:1.1520~1.2500 |
ベース:1.2510~1.4990 コア:1.2520~1.3500 |
| 注文金額 | 1,000通貨 | 1,000通貨 |
| トラップ本数 | ベース:125本 コア:50本 |
ベース:125本 コア:50本 |
| トラップ間隔 | 0.002ドル (コアと重なる範囲は実質0.001ドル) |
0.002ドル (コアと重なる範囲は実質0.001ドル) |
| 利益金額 | 10ドル | 10ドル |
| 決済トレール | あり | あり |
| ストップロス | なし | なし |
当時はベースレンジに対して運用資金160万円を用意し、自作のExcelツールで計算した実際のロスカットレートは、買いが0.9939ドル、売りが1.4405ドルでした。
旧設定のその後
この設定は2023年1月時点で新規注文を停止し、2024年4月に保有ポジションを損切りして運用を終えました。
年ごとの売買損益は以下の通りです。
| 年 | 売買損益(スワップ除く) |
|---|---|
| 2019年(12月から運用開始) | +4,201円 |
| 2020年 | +215,583円 |
| 2021年 | +100,890円 |
| 2022年 | +53,813円 |
| 2023年 | +6,904円 |
| 2024年(4月に損切り) | -1,057,102円 |
| 合計 | -675,711円 |
2020年から2023年までに積み上げた約38万円の利益は、2024年4月の損切りでまとめて失いました。
失敗の原因と教訓
失敗の原因は、2022年以降のドル高でレートが中央値(1.2500ドル)を大きく下回り、買いポジションばかりが積み上がったことです。
さらに米国の利上げで金利差が広がったことで、買いポジションはマイナススワップとなり、含み損に加えて毎日スワップを支払う状態が続きました。
この経験から得た教訓は次の3つです。
- ハーフ&ハーフは、レンジアウトした側でマイナススワップを払い続けるリスクがある
- 過去20年のレンジでも下限を割り込むことがある
- ストップロスなしでは損切りの判断が遅れ、損失が大きくなりやすい
もし当時、スワップがプラスになる「売り」だけを仕掛けていれば、ドル高局面ではむしろ決済益とスワップを受け取れていたことになります。これが、私が片道トラリピをおすすめする理由です。
トラリピ全体の運用実績や失敗の詳細は、下記の記事で公開しています。
よくある質問

ユーロ/米ドルのトラリピについて、よくいただく質問にお答えします。
Q. ユーロ/米ドルの買いトラリピはおすすめしないのですか?
現在は買いのスワップがマイナスのため、片道トラリピの考え方ではおすすめしません。レートが下がり続けた場合、含み損に加えてスワップの支払いも続くためです。将来、ユーロ圏の金利が米国を上回るなどしてスワップの向きが変われば、改めて検討します。
Q. 今から売りで始めてもいいですか?
2026年10月初旬時点では、ユーロ/米ドルはレンジの底付近にあるため、私なら売りの新規エントリーは見送ります。レートがレンジの上側に戻るのを待つか、条件のそろった他の通貨ペアを検討するのがおすすめです。
Q. 過去の設定をそのまま使ってもいいですか?
おすすめしません。旧設定はハーフ&ハーフでストップロスもなく、実際に損切りで運用を終えた設定です。過去の記録として参考にしつつ、片道トラリピの考え方で設定し直してください。
まとめ:ユーロ/米ドルは「売りの片道トラリピ」で、天井付近まで待つ

本記事では、ユーロ/米ドルの片道トラリピの考え方と、過去のハーフ&ハーフ設定の記録を紹介しました。
要点を整理すると以下の通りです。
- ユーロ/米ドルは売りでスワップを受け取れるため、片道トラリピは「売り」で検討する
- 2026年10月初旬はレンジの底付近にあり、売りの新規エントリーは「待ち」の局面
- レンジは天井付近から上に余裕を持って設定し、ストップロスで出口を決めておく
- 運用資金はロスカットレートから逆算し、運用資金全体の10%以内にとどめる
- 過去のハーフ&ハーフ設定は、買い側のマイナススワップと損切りで約68万円のマイナスに終わった
片道トラリピは、条件がそろうのを待つ規律さえ守れば、ハーフ&ハーフよりも精神的に楽に続けられる戦略です。
ユーロ/米ドルがレンジの天井付近に戻ってきたときに備えて、今のうちにトラリピの口座を準備しておくのもひとつの方法です。
為替コヤジが過去に運用していた全13通貨ペアの設定と、その結果は下記の記事にまとめています。











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