「トラリピでユーロ/英ポンドを運用してみたいです。どんな設定がいいのか知りたい。」
「ユーロ/英ポンドはレンジ相場になりやすいと聞くけど、片道トラリピでも使えるの?」
本記事ではこんな悩みを解決します。
ユーロ/英ポンド(EUR/GBP)は、経済的に結びつきの強いユーロ圏と英国の通貨の組み合わせで、レンジ相場になりやすいことからトラリピ向きの通貨ペアとして知られています。
私・為替コヤジも2021年からユーロ/英ポンドをハーフ&ハーフで運用し、数少ないプラスで運用を終えられた通貨ペアになりました。
その経験と現在の金利環境を踏まえ、今ユーロ/英ポンドでトラリピをするならスワップがプラスになる「売り」だけを仕掛ける片道トラリピをおすすめしています。
本記事では、ユーロ/英ポンドの特徴と最新の相場環境、片道トラリピの3条件による診断、設定の考え方、そして過去の運用記録までをまとめて解説します。
- ユーロ/英ポンドがトラリピ向きと言われる理由
- ユーロ/英ポンドの最新の値動きと金利環境(2026年10月時点)
- 片道トラリピの3条件で見た「今」のエントリー判断
- ユーロ/英ポンドで片道トラリピを設定するときの考え方
- 為替コヤジの過去のハーフ&ハーフ設定と、約35万円のプラスで終えた運用結果
ユーロ/英ポンドがトラリピ向きと言われる理由

まずはユーロ/英ポンドの基本的な特徴を整理しておきましょう。
ユーロ圏と英国は地理的にも経済的にも結びつきが強く、景気や金融政策が似た方向に動きやすいため、一方的なトレンドが続きにくく、レンジ相場を形成しやすいのが特徴です。
上下に行ったり来たりする相場で利益を積み上げるトラリピにとって、これは大きなメリットです。マネースクエア公式の「トラリピ世界戦略」でも、豪ドル/NZドル、米ドル/カナダドルとともに採用されている通貨ペアです。
| 項目 | 内容(2026年10月初旬時点) |
|---|---|
| 現在のレート | 0.85英ポンド前後 |
| 政策金利 | 英国(イングランド銀行):3.75% ユーロ圏(ECB):預金ファシリティ金利2.50% |
| スワップの向き | 売り:プラス/買い:マイナス |
| トラリピの最小取引単位 | 1,000通貨 |
| 片道トラリピの方向 | 売り(スワップがプラスの方向) |
※スワップポイントは日々変動します。最新の値は必ずマネースクエアの公式サイトでご確認ください。
英国の政策金利がユーロ圏より1ポイント以上高いため、ユーロ/英ポンドは売りポジションを持てば毎日スワップを受け取れる状態です。
2026年はECBが2回利上げした一方、イングランド銀行は据え置きを続けているため金利差はやや縮まっていますが、それでも売りがプラスの構図は変わっていません。
トラリピ向きの通貨ペアの選び方や、片道トラリピの基本は下記の記事で詳しく解説しています。
ユーロ/英ポンドの値動き|長期と直近の推移

次に、ユーロ/英ポンドがどのような範囲で動いてきたのかを確認します。
片道トラリピの売りでは「天井が固いか」と「今のレートがレンジのどこにあるか」が判断の鍵になるため、長期と直近の値動きをそれぞれ見ていきます。
リーマンショック以降はおおむね0.70~0.95英ポンド

ユーロ/英ポンドは、2008年のリーマンショック前には0.60英ポンド台で推移していましたが、ショック後に急騰しました。
その後はおおむね0.70~0.95英ポンドの範囲で推移しています。旧記事では「0.75~0.95英ポンドにほぼ収まっている」と書いていましたが、2015年には0.70英ポンドを割り込む場面もありました。
他の通貨ペアと比べると値動きの幅は小さいものの、過去のレンジを一時的に外れることはあると考えておきましょう。
2026年は0.85~0.87英ポンド前後で推移
直近では、2024年末の0.82英ポンド台から上昇し、2026年前半は0.86~0.87英ポンド前後で推移していました。
7月にはこの水準を下抜け、一時0.84英ポンド台まで下落しています。8月以降は0.85英ポンド台で推移し、10月初旬も0.85英ポンド前後です。

2026年2月に片道トラリピの記事でユーロ/英ポンドの売りを紹介したときは、0.87英ポンド前後とレンジの上側にありました。そこから下がってきたので、売りで仕掛けていれば決済益とスワップの両方を得られた計算です。
片道トラリピの3条件で診断|2026年10月時点のエントリー判断

ここからは、片道トラリピに適した通貨ペアを選ぶ3つの条件で、今のユーロ/英ポンド(売り)を診断します。
3つの条件がすべてそろったときが理想のエントリータイミングです。
| 条件 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| ① プラススワップが大きい | ○ | 英国の政策金利(3.75%)がユーロ圏(2.50%)を上回り、売りでスワップを受け取れる |
| ② レンジ相場を形成している | ○ | 長期的にレンジ相場が続いており、値動きの幅も比較的小さい |
| ③ レートがレンジの端にある | △ | 現在の0.85英ポンド前後は、2026年の推移の中では下側。売りに適した天井付近ではない |
診断結果をまとめると、通貨ペアとしての条件はそろっているものの、売りを新規で始めるには少し下がりすぎていると私は判断しています。
売りの片道トラリピはレンジの天井付近から始めるのが基本です。今から始めるより、2026年前半の水準(0.86~0.87英ポンド台)まで戻ってくるのを待つ方が、含み損を抱えにくいスタートを切れます。
ただし、ECBの追加利上げやイングランド銀行の利上げの有無によって金利差は変わります。エントリーの前には、売りスワップが十分にプラスかどうかを必ず確認しましょう。
ユーロ/英ポンドで片道トラリピを設定するときの考え方

エントリーのタイミングが来たときに慌てないよう、ユーロ/英ポンドで片道トラリピを設定するときの考え方を整理しておきます。
具体的な数値は相場環境と資金によって変わるため、ここでは設定を決める手順を中心に解説します。
1. 方向は「売り」だけ
片道トラリピの大原則は、スワップがプラスになる方向にだけ仕掛けることです。
現在のユーロ/英ポンドは売りでスワップを受け取れるため、売りのみで設定します。ECBとイングランド銀行の金利差が逆転してスワップの向きが変わった場合は、方針を見直してください。
2. レンジは「天井付近から上」に余裕を持って設定する
売りの片道トラリピは、レンジの天井付近を起点に、それより上にトラップを仕掛けます。
天井の目安は直近の高値を参考にしつつ、長期のレンジ上限(0.90~0.95英ポンド前後)も意識して、上抜けたときにも耐えられる余裕を持たせておきましょう。
ユーロ/英ポンドは値動きが小さい分、レンジを狭くしたくなりますが、狭すぎると少し上抜けただけでトラップがなくなり、含み損だけが残ってしまいます。
3. トラップ間隔と利益金額は値動きに合わせる
私が以前運用していた設定では、トラップ間隔は0.001英ポンド、利益金額は8英ポンド(1,000通貨あたり)にしていました。
ユーロ/英ポンドは1日の値動きが小さいため、利益金額を大きくしすぎると決済されにくくなります。なかなか決済されないときは、下記の記事の対策も参考にしてください。
また、資金に合わせて最初は間隔を広めにし、あとからトラップを追加する場合は、追加後も等間隔に並ぶよう0.002英ポンド→0.001英ポンドのように2倍・半分の関係で決めておくと管理しやすくなります。
4. ストップロスで「出口」を決めておく
旧設定ではストップロスを入れずに運用していましたが、他の通貨ペアではそれが原因で損切りの判断が遅れ、損失を大きくしてしまいました。
現在の私は、片道トラリピでもストップロスを設定し、想定レンジを大きく上抜けたら撤退することをおすすめしています。
5. 運用資金は「どこまで耐えるか」から逆算する
運用資金は、先に「どの価格まで耐えるか(ロスカットレート)」を決め、そのために必要な金額を逆算して決めます。
片道トラリピは30万~50万円程度から始める方が多いですが、レンジや本数によって必要資金は大きく変わります。トラリピ運用試算表で確認したうえで、運用資金全体の10%以内にとどめるのがおすすめです。
6. 決済トレールは付けたままでもOK
決済トレールは、レートが利益方向に大きく動いたときに利益を伸ばせる機能です。
値動きが小さい相場では利益を削ることもありますが、私は基本的に付けたままにしていました。
ユーロ/英ポンドの片道トラリピはいつ始めるべきか?

旧記事では「ロスカットせずに利益を積み上げるので、できるだけ早く始めるのが理想」と書いていました。
しかし片道トラリピでは、レートがレンジの天井付近に来るまで待つのが基本です。
天井付近から売りを始めれば、レートがレンジの中央に戻るにつれて決済益とスワップの両方が積み上がります。万が一上抜けても、端から始めていれば含み損は膨らみにくくなります。
2026年10月初旬のユーロ/英ポンドは2026年の推移の中では下側にあるため、売りの片道トラリピは「待ち」の局面です。レートが再びレンジの上側に戻ってきたときが、次のチャンスになります。
【過去の記録】為替コヤジのユーロ/英ポンド ハーフ&ハーフ設定

ここからは、私が以前運用していたユーロ/英ポンドのハーフ&ハーフ設定を記録として紹介します。
現在は運用しておらず、推奨設定ではありません。過去の参考としてご覧ください。
当時の設定内容
リーマンショック以降の値動きをベースに、中央値0.8500英ポンドを境に下に買い、上に売りを仕掛けていました。レンジはマネースクエア公式の「トラリピ世界戦略」と同じです。
| 設定内容 | 買い | 売り |
|---|---|---|
| レンジ | 0.7510~0.8500 | 0.8510~0.9500 |
| 注文金額 | 1,000通貨 | 1,000通貨 |
| トラップ本数 | 100本 | 100本 |
| トラップ間隔 | 0.001英ポンド | 0.001英ポンド |
| 利益金額 | 8英ポンド | 8英ポンド |
| 決済トレール | あり | あり |
| ストップロス | なし | なし |
当初は運用資金200万円を想定し、自作のExcelツールで計算したロスカットレートは、売りが0.99408英ポンド、買いが0.69496英ポンドでした。
ただし2023年1月時点では、他の通貨ペアの含み損の影響で資金を100万円に抑え、トラップ間隔を2倍(0.002英ポンド)にして運用していました。
旧設定のその後
この設定はレンジ内での推移が続いたこともあり、大きな損切りをすることなく運用を続けられました。
2026年はトラリピ全体の運用を整理する方針に切り替えたため、4月に全ポジションを決済して運用を終えています。年ごとの売買損益は以下の通りです。
| 年 | 売買損益(スワップ除く) |
|---|---|
| 2021年 | +40,187円 |
| 2022年 | +27,241円 |
| 2023年 | +68,722円 |
| 2024年 | +86,784円 |
| 2025年 | +132,142円 |
| 2026年(4月に全決済) | -5,380円 |
| 合計 | +349,696円 |
ユーロ/英ポンドから学んだこと
私が運用した13通貨ペアの中で、ユーロ/英ポンドは数少ないプラスで運用を終えられた通貨ペアです。
うまくいった最大の理由は、レートが設定したレンジの中で推移し続けたことです。一方的なトレンドが出にくいという通貨ペアの特徴が、そのまま結果に表れました。
ただしハーフ&ハーフでは、レートが中央値より下にある間は買いポジションにマイナススワップがかかっていました。同じレンジ通貨ペアでも、スワップがプラスの売りだけに絞れば、さらに効率よく運用できたというのが今の実感です。
この経験が、レンジ相場になりやすい通貨ペアを、スワップがプラスの方向だけで仕掛ける「片道トラリピ」にたどり着いた理由のひとつです。
トラリピ全体の運用実績は、下記の記事ですべて公開しています。
よくある質問

ユーロ/英ポンドのトラリピについて、よくいただく質問にお答えします。
Q. ユーロ/英ポンドの買いトラリピはおすすめしないのですか?
現在は買いのスワップがマイナスのため、片道トラリピの考え方ではおすすめしません。将来、ユーロ圏の金利が英国を上回ってスワップの向きが変われば、改めて検討します。
Q. 今から売りで始めてもいいですか?
2026年10月初旬時点では、ユーロ/英ポンドは2026年の推移の中では下側にあるため、私なら売りの新規エントリーは見送ります。レートがレンジの上側に戻るのを待つのがおすすめです。
Q. ユーロ/英ポンドはなかなか決済されないと聞きましたが本当ですか?
他の通貨ペアと比べて値動きが小さいため、利益金額やトラップ間隔によっては決済の頻度が少なくなります。ただしその分、急激なレンジアウトが起こりにくいというメリットもあります。片道トラリピなら決済を待つ間もスワップを受け取れます。
Q. 過去の設定をそのまま使ってもいいですか?
おすすめしません。旧設定はハーフ&ハーフでストップロスもない設定です。結果的にプラスで終えられましたが、レンジを外れていれば損失が出ていた可能性もあります。片道トラリピの考え方で設定し直してください。
まとめ:ユーロ/英ポンドは「売りの片道トラリピ」で、天井付近まで待つ

本記事では、ユーロ/英ポンドの片道トラリピの考え方と、過去のハーフ&ハーフ設定の記録を紹介しました。
要点を整理すると以下の通りです。
- ユーロ/英ポンドはレンジ相場になりやすく、トラリピ向きの通貨ペア
- 英国の金利がユーロ圏より高いため、片道トラリピは「売り」で検討する
- 2026年10月初旬は2026年の推移の中では下側にあり、売りの新規エントリーは「待ち」の局面
- レンジは天井付近から上に余裕を持って設定し、ストップロスで出口を決めておく
- 過去のハーフ&ハーフ設定は、約35万円のプラスで運用を終えた
ユーロ/英ポンドは、レンジ相場とプラススワップの両方を活かせる、片道トラリピと相性のいい通貨ペアです。
レートがレンジの上側に戻ってきたときにすぐ動けるよう、今のうちにトラリピの口座を準備しておくのもひとつの方法です。
為替コヤジが過去に運用していた全13通貨ペアの設定と、その結果は下記の記事にまとめています。
同じく片道トラリピ(売り)の候補であるユーロ/米ドルについては、下記の記事で解説しています。












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