「トラリピって本当に大損するの?」
「失敗談をよく聞くけど、実際のところどうなの?」
そんな疑問を持つ方のために、私・為替コヤジが14年間のトラリピ運用で経験したリアルな失敗を、実際の口座の数字とともにすべて公開します。
結論からお伝えします。トラリピは運用方法を誤ると大損します。私は2012年1月からトラリピを運用してきましたが、2026年8月末時点の通算損益は約1,639万円のマイナスです。その間、1か月で100万円を超える大規模なロスカット(損切り)を11回経験し、その合計は約1,769万円に上ります。
ただし、失敗の原因を一つずつ分解してみると、そのほとんどは「トラリピという仕組み」ではなく「私の使い方」に問題がありました。実際、16通貨ペアのうち7通貨ペアはプラスで運用を終えており、マイナススワップを避けた2023年には売買損益が14年間で最高を記録しています。つまり、同じ失敗さえ避ければ、トラリピはほったらかしで利益を積み上げられる強力なFX自動売買ツールです。
本記事では、私が犯した5つの失敗と、それを避けるための具体的な対策、そして今からトラリピを始めるなら私が迷わず選ぶ「片道トラリピ」まで、余すことなく解説します。
- トラリピで通算約1,639万円のマイナスになった損失の全貌と、100万円超のロスカット11回の記録
- 大損を招いた5つの失敗原因と、それぞれの損失額
- 同じ失敗を繰り返さないための5つの対策
- プラスで終えた7通貨ペアから分かる「トラリピで勝つ条件」
- 今からトラリピを始めるなら選ぶべき「片道トラリピ」の考え方
トラリピの基本的な仕組みや始め方をまだご存じない方は、先に以下の記事をご覧ください。

トラリピで大損した実績(2012年1月〜2026年8月)

「大損」と言われてもピンとこない方も多いと思います。まずは私の実績を数字で直視していただきます。ここで紹介する数字は、すべて私の実際の口座で起きたことです。
14年間の通算成績は約1,639万円のマイナス
2012年1月の運用開始から2026年8月末までのトラリピ全体の成績は、以下の通りです。
| 項目 | 金額(2012年1月〜2026年8月) |
|---|---|
| 入金額(入出金の合計) | 17,500,000円 |
| 売買損益 | -10,883,618円 |
| スワップ損益 | -2,491,337円 |
| 評価損益(2026年8月末) | -3,014,925円 |
| 通算損益 | -16,389,880円 |
入金した1,750万円のうち、約1,639万円を失ったことになります。2026年8月末時点でも米ドル/円と豪ドル/NZドルのポジションが残っており、口座のクローズに向けた整理を続けています。
100万円超のロスカットは11回、累計約1,769万円
損失の大部分は、相場の急変や想定外のトレンドをきっかけにした大きな損切りから生まれています。1か月の損切り額が100万円を超えたケースを、きっかけとなった相場イベントと一緒に振り返ると次の通りです。

| 時期 | きっかけ | 主な通貨ペア | 損切り額 |
|---|---|---|---|
| 2015年8月 | チャイナショック | 豪ドル/円・ユーロ/円・NZドル/円・南アランド/円 | 約143万円 |
| 2018年8月 | トルコショック | トルコリラ/円 | 約160万円 |
| 2019年11月 | 含み損の整理 | 南アランド/円・トルコリラ/円 | 約204万円 |
| 2020年3月 | コロナショック | 豪ドル/円 | 約130万円 |
| 2020年8月 | リラ安の長期化 | トルコリラ/円 | 約202万円 |
| 2021年1月 | ランド安の長期化 | 南アランド/円 | 約257万円 |
| 2022年9月 | 急激な円安 | 豪ドル/円・ユーロ/円・NZドル/円・英ポンド/円など | 約175万円 |
| 2024年4月 | 米国の高金利(買いのマイナススワップ) | ユーロ/米ドル | 約106万円 |
| 2024年7月 | 米国の高金利(買いのマイナススワップ) | 豪ドル/米ドル・英ポンド/米ドル | 約109万円 |
| 2025年11月 | 円安の長期化 | 米ドル/円・ユーロ/円・NZドル/米ドル | 約133万円 |
| 2026年1月 | 円安の長期化 | 米ドル/円 | 約149万円 |
| 合計(11回) | 約1,769万円 |
※損切り額は、その月に損失で決済した通貨ペアの売買損益の合計です。スワップ損益は含みません。
11回のロスカットの合計は約1,769万円、1回あたり平均で約161万円です。通算の売買損益(約-1,088万円)より損切りの合計が大きいのは、その間にコツコツと積み上げた決済益で一部を取り戻しているからです。

損切りの合計額が、14年間コツコツ積み上げた利益を大きく上回ってしまった。これが「コツコツドカン」の正体です。
損失の大半はわずか3通貨ペアから生まれた
通貨ペア別に売買損益を合計すると、失敗の正体がさらにはっきりします。
| 通貨ペア | 売買損益(通算) | 主な原因 |
|---|---|---|
| トルコリラ/円 | 約-445万円 | 高金利通貨の長期下落 |
| 南アランド/円 | 約-386万円 | 高金利通貨の長期下落 |
| 米ドル/円 | 約-335万円 | レンジ上抜け後の売りポジションの塩漬け |
| その他13通貨ペア | 約+78万円 | プラス7通貨ペア・マイナス6通貨ペア |
| 合計 | 約-1,088万円 |
トルコリラ/円・南アランド/円・米ドル/円の3通貨ペアだけで約-1,167万円と、通算の売買損失をすべて説明できてしまいます。逆に言えば、この3つの失敗さえ避けていれば、トラリピの成績はプラスだったということです。
14年間の年別・月別・通貨ペア別の運用実績は、以下の記事ですべて公開しています。

トラリピで大損した5つの理由|同じ失敗を繰り返さないために

なぜこれほどの損失が積み重なったのでしょうか。14年分の取引履歴を振り返ると、5つの根本的な失敗が何度も繰り返されていました。トラリピで失敗する人の多くが、このどれかに当てはまるはずです。一つずつ、実際の損失額とともに正直に解説します。
- 高スワップに惹かれて高金利通貨に手を出してしまった
- マイナススワップを甘く見ていた
- ロスカットせずにレンジを広げてしまった
- 急落時に底値付近で損切りしてしまった
- トラリピに資金を集中させすぎた
原因1:高スワップに目がくらんで高金利通貨に手を出してしまった
最初の、そして最大の失敗は「通貨ペア選び」でした。FXの利益には、値動きの差から得る「キャピタルゲイン(為替差益)」と、2国間の金利差から得る「インカムゲイン(スワップポイント)」の2種類があります。
私は2014年、スワップポイントの高さに引き寄せられて南アランド/円(ZAR/JPY)とトルコリラ/円(TRY/JPY)のトラリピを始めました。これが後の大損の出発点です。
高金利通貨は確かにスワップが魅力的です。しかし、高インフレや政治・経済の不安を抱える国の通貨は、受け取るスワップを大きく上回るペースで為替レートが下落することがあるのです。
実際、トルコリラ/円は私がトラリピを始めた2014年には40円台でしたが、2026年9月には過去最安値となる3.15円前後まで下落しました。約12年で価値が10分の1以下になった計算です。私はトルコリラ/円を2018年8月(約160万円)、2019年11月(約102万円)、2020年8月(約202万円)と3回に分けて損切りし、売買損益は通算で約-445万円となりました。
南アランド/円も、2019年11月に約102万円、2021年1月に約257万円を損切りし、通算で約-386万円です。皮肉なことに、その後は南アランド/円が値を戻し、2026年8月には一時10円前後まで上昇しています。「損切りした後に戻る」——高金利通貨のリピート系運用には、こうした精神的な消耗もつきまといます。
なお、2015年〜2019年の5年間はスワップ損益が約305万円のプラスでしたが、2つの高金利通貨の売買損失(約-832万円)にはまったく届きませんでした。トラリピのようなリピート系注文は、相場が一定のレンジ内で上下することで利益を積み上げる仕組みです。一方向に下落し続ける通貨ペアとは根本的に相性が悪いのです。
原因2:マイナススワップが雪だるま式に膨らんでしまった
2つ目の失敗は、スワップの「支払い」を軽く見ていたことです。リピート系注文が順調に回っている間は、マイナススワップの影響は限定的です。しかし相場が一方向に動き、ポジションが長期間「塩漬け」になると、毎日積み上がるマイナススワップが致命傷になります。
私の口座では、円安でレンジを上抜けた米ドル/円などの売りポジションや、米国の利上げでマイナススワップに変わったドルストレートの買いポジションが、毎日スワップを払い続けていました。そのスワップ損失は損切りのたびに確定し、スワップ損益は次のように膨らんでいきました。
| 期間 | スワップ損益 |
|---|---|
| 2024年 | 約-86万円 |
| 2025年 | 約-195万円 |
| 2026年(1〜8月) | 約-213万円 |
| 合計(約2年8か月) | 約-494万円 |
1,000円の決済益が出ても、マイナススワップがそれを上回っていればトータルではマイナスです。スワップがプラスなら「待てば回収できる」と落ち着いていられますが、マイナスの場合は待てば待つほど損失が拡大します。精神的なダメージは想像以上でした。
原因3:ロスカットせずにレンジを広げてしまった
3つ目は「撤退ルール」を持っていなかったことです。私は「トラリピはレンジを外れてもいずれ戻ってくるので、ロスカットせずに待つのが王道」と考えていました。
そのため、当初想定していたレンジを外れてもロスカットせずに反転を待ちました。それどころか、レンジ外でリピートしなくなるのを嫌い、トラップレンジを当初の計画以上に広げてしまったのです。
その代表例が米ドル/円です。過去20年のレンジ(75円〜125円)を前提にハーフ&ハーフを仕掛けていましたが、米ドル/円は2022年に一時151円台、2024年7月には一時161円台まで上昇し、2026年10月初旬も158円前後で推移しています。2022年3月に新規注文を止めてから4年以上たった今も損切りによる整理が続き、売買損益は通算で約-335万円です。
また、レンジ相場の代表格とされる豪ドル/NZドルも、2020年〜2025年に約122万円を積み上げたものの、2026年に約12年ぶりにレンジを上抜けたことで、わずか8か月で約194万円の損失となりました。詳しくは豪ドル/NZドルのトラリピ設定の記事で解説しています。
原因4:急落時に底値付近で損切りしてしまった
4つ目は、急落時の判断ミスです。相場の急落に驚いて戦略なく損切りしてしまう「狼狽売り」は、心理的に最も辛い底値付近で起きやすく、その後に相場が大きく戻ることも珍しくありません。
私の場合、2020年3月のコロナショックで豪ドル/円が一時60円を割り込み、レンジ外となった買いポジションを約130万円で損切りしました。ところが豪ドル/円はその後回復し、2026年10月初旬には110円前後で推移しています。豪ドル/円はスワップがプラスの「買いのみ」で運用していたにもかかわらず、この損切りが響いて通算約-37万円で終わりました。
こうした判断ミスの根本原因は、自分のロスカットレートを事前に把握していないことです。どの水準まで相場が動けば強制ロスカットされるのかを知らないまま運用するのは、地図を持たずに山へ入るようなものです。
原因5:トラリピに資金を集中させすぎた
5つ目は資金配分の失敗です。一時期、私は運用資金の9割近くをトラリピに集中させていました。
その結果、「トラリピがコケたらすべて終わり」という状況を自ら作り出し、冷静な判断ができなくなっていました。2020年3月のコロナショックでは追加入金で何とかしのぎましたが、他の投資手法でチャンスを見つけても資金がなく、ただ指をくわえて見ているしかありませんでした。大きな機会損失です。
トラリピで大損しない5つの対策|失敗から学んだ完全ガイド

ここからは、約1,639万円という授業料を払って私がたどり着いた「トラリピで大損しないための対策」を5つ解説します。どれも今日から実践できるシンプルなルールです。この5つを守るだけで、トラリピで退場するリスクは大きく下げられます。
- 高金利通貨ペアには手を出さない
- マイナススワップの方向には仕掛けない
- 想定が外れたら迷わずロスカットする
- ロスカットレートを把握しておく
- 分散投資を徹底する
対策1:高金利通貨ペアには手を出さない
トラリピで最も重要なのは通貨ペア選びです。リピート系注文に向いている通貨ペアは、一定の値幅の中で上下を繰り返すものです。
現在マネースクエアのトラリピでは18通貨ペアを取引できますが、その中でもトラリピ向きとされているのは、豪ドル/NZドル、ユーロ/英ポンド、米ドル/カナダドル、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナ(NOK/SEK)といった、経済的なつながりが強い国同士の通貨ペアです。ただし、豪ドル/NZドルのようにレンジ通貨ペアでもレンジを抜けることはあるため、過信は禁物です。
一方、トルコリラ/円や南アランド/円などの高金利通貨ペアは、長期的な下落トレンドや急落のリスクを抱えています。トラリピではあくまで為替差益狙いに徹し、スワップ狙いはスワップ投資として手法を完全に分けることが重要です。
トラリピ向きの通貨ペアの選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。

対策2:マイナススワップの方向には仕掛けない
マイナススワップ(スワップ支払い)となる方向にはトラリピを仕掛けないことが重要です。
そのためには、レンジの下半分で買い・上半分で売りを仕掛ける「ハーフ&ハーフ」は使わず、常にプラススワップ(スワップ受取り)となる方向だけに仕掛ける片道トラリピを選びます。ハーフ&ハーフの仕組みと注意点は以下の記事で詳しく解説しています。

また、スワップの向きは金利情勢によって変わります。2024年にドルストレートの買いポジションで損切りしたのは、米国の利上げで買いスワップがマイナスに変わったことが一因でした。仕掛けたあとも、定期的にスワップの向きを確認しましょう。
対策3:想定が外れたら迷わずロスカットする
トラリピでも、想定レンジを大きく外れたら迷わずロスカットしましょう。「いつか戻るはず」という期待は、私のように損失を何倍にも膨らませる原因になります。
特に、スワップ支払いの方向でレンジを外れたのに資金を追加してレンジを広げるのは自殺行為です。あらかじめ「ここまで来たら撤退する」というラインを決め、ストップロスを最初から設定しておくことをおすすめします。
なお、2025年3月にはトラリピに「レンジシフト」機能が追加されました。トレンドが出たときに設定レンジが価格を追いかけて自動で移動する機能で、私が大損していた頃にはなかったものです。トレンドへの対応手段が増えているのは心強いポイントです。
その点、片道トラリピならレンジを外れてもスワップを受け取りながら待つことができるため、慌ててロスカットせずに済む可能性が高まります。
対策4:ロスカットレートを把握しておく
狼狽売りを防ぐ最大の防御策は、自分のロスカットレートを事前に正確に把握しておくことです。
マネースクエアでは口座を毎営業日10秒ごとに値洗いし、証拠金維持率が100%を下回った時点で全ポジションが強制決済されます。主なルールは次の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ロスカット水準 | 証拠金維持率100%未満 |
| 証拠金維持率の計算式 | 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100 |
| 判定タイミング | 毎営業日10秒ごとに値洗い |
| ロスカット時の処理 | 全ポジションを対象に反対売買 |
| 注意点 | 相場急変時は判定レートと執行レートがずれ、預けた資金以上の損失が出る可能性あり |
ロスカットレートが分かっていれば、「まだここまでは耐えられる」「ここまで来たら追加入金が必要」と冷静に判断できます。ロスカットレートの計算には、マネースクエアの「トラリピ運用試算表」やリスクシミュレーションが役立ちます。使い方と、証拠金維持率よりロスカットレートを重視すべき理由は以下の記事で詳しく解説しています。


そもそもいくらの資金を用意すべきか迷っている方は、こちらも参考にしてください。

対策5:分散投資を徹底する
トラリピで大きく負けても退場しないためには、分散投資を徹底することです。
私がトラリピで約1,639万円を失っても投資を続けられているのは、分散投資をしていたからです。投資信託、仮想通貨、不動産クラウドファンディング、スワップ投資などに資金を分けていたため、トラリピの負けを他の投資でカバーできました。
また、通貨ペアを増やすときは「数」ではなく「中身」に注意が必要です。2022年9月には円安でクロス円が一斉に同じ方向へ動き、5通貨ペアをまとめて損切りしました。共通する通貨(円や米ドル)に偏っていると、分散したつもりでも同じリスクを重ねてしまいます。
FX自動売買の中で通貨ペア・手法・口座を分散させるテクニックや、資金管理の考え方は以下の記事でまとめています。


失敗だけではない!プラスで終えた7通貨ペアから分かること

ここまで失敗ばかりを紹介してきましたが、私のトラリピは負けてばかりだったわけではありません。16通貨ペアのうち7通貨ペアはプラスで運用を終えています。成功例を見ると、トラリピで勝つための条件がはっきりと見えてきます。
| 通貨ペア | 売買損益(通算) | 運用期間 |
|---|---|---|
| NZドル/円 | 約+75万円 | 2014年〜2022年 |
| カナダドル/円 | 約+74万円 | 2018年〜2023年 |
| NZドル/米ドル | 約+64万円 | 2019年〜2025年 |
| ユーロ/英ポンド | 約+35万円 | 2021年〜2026年 |
| 米ドル/カナダドル | 約+27万円 | 2022年〜2026年 |
| 英ポンド/円 | 約+22万円 | 2020年〜2022年 |
| 英ポンド/米ドル | 約+3万円 | 2020年〜2024年 |
| 合計 | 約+300万円 |
共通しているのは、レンジ相場になりやすい通貨ペアを選び、マイナススワップの負担が小さい方向で運用し、レンジを大きく抜ける前に停止・決済できたことです。たとえばカナダドル/円は、スワップがプラスの「買いのみ」で運用して約74万円のプラスになりました。
また、設定を見直してマイナススワップを避ける運用に切り替えた2023年は、売買損益が約87万円と14年間で最も良い成績でした。毎月コツコツ決済益が積み上がり、マイナスの月は一度もありません。

正しい通貨ペアを、正しい方向で。これさえ守れば、トラリピは今でも十分に稼げる仕組みだと実感しています。
今からトラリピをやるなら「片道トラリピ」一択

ここまでの失敗と対策をひとつにまとめた答えが「片道トラリピ(片道リピート注文)」です。正直にお伝えすると、私自身は14年間の運用の総括として、現在は残っているポジションを整理しながらトラリピ運用を終了し、FXはスワップ投資中心へ移行しています。
それでも、「今からトラリピを始めるならどうするか」と聞かれたら、私は迷わず片道トラリピを選びます。ポイントはシンプルで、スワップがプラスになる方向にだけ注文を仕掛けるというものです。具体的には次の3ステップで動きます。
- スワップがプラスになる方向(買い or 売り)にのみ注文を仕掛ける
- 想定どおりに相場が動けば、決済益とスワップの両取りができる
- 逆方向に動いても、スワップを受け取りながら反転を待てる
従来のハーフ&ハーフとの違いを整理すると次の通りです。
| 比較項目 | ハーフ&ハーフ | 片道トラリピ |
|---|---|---|
| 仕掛ける方向 | レンジ下半分で買い・上半分で売り | スワップがプラスになる方向のみ |
| 逆行時のスワップ | 片側は支払いになる | 受け取りながら待てる |
| レンジ外に出たとき | 含み損とマイナススワップが同時に膨らむ恐れ | スワップが含み損の一部をカバー |
| 精神的な負担 | 大きい | 比較的小さい |
ただし、片道トラリピでも「始める位置」と「出口」は大切です。豪ドル/円の失敗のように、レンジの中ほどから上で買いを仕掛けると急落時に一気に含み損が膨らみます。レンジの端まで待ってから始め、ストップロスで出口も決めておくことを忘れないでください。
片道トラリピに向いている通貨ペアや具体的な仕掛け方は、以下の記事で詳しく解説しています。

私が最後に運用していた13通貨ペアの設定と、その後どうなったかは以下の記事にまとめています。

トラリピ以外のFX自動売買も比較して選ぼう

トラリピは情報量やサポートが充実した、リピート型自動売買の元祖です。一方で、スプレッドがやや広めであったり、デモ口座がなかったりと、人によっては合わない部分もあります。自分に合ったサービスを選ぶことも、大損を避ける立派な対策です。
たとえば「いきなり大きな資金を入れるのは怖い」という方は、1通貨単位から取引できる松井証券FXの自動売買で少額から感覚をつかむのも一つの方法です。主要なリピート型サービスの違いは、以下の比較記事で詳しくまとめています。

国内のFX自動売買33サービスを10項目で格付けしたランキングもあわせてご覧ください。

トラリピの失敗に関するよくある質問

最後に、トラリピの失敗や大損についてよくいただく質問にお答えします。
Q. トラリピは結局「やめとけ」なのでしょうか?
いいえ、そうは思いません。私の損失の大半は、トルコリラ/円・南アランド/円・米ドル/円の3通貨ペアによるもので、高金利通貨の選択、マイナススワップ方向への仕掛け、撤退ルールの欠如といった「使い方の失敗」が原因です。実際に7通貨ペアはプラスで終えています。通貨ペア選びと資金管理のルールを守れば、トラリピは時間をかけずに運用できる優れたツールです。
Q. トラリピのロスカットはどのタイミングで起きますか?
マネースクエアでは、証拠金維持率(有効証拠金÷必要証拠金×100)が100%を下回るとロスカットになります。判定は毎営業日10秒ごとに行われますが、相場急変時には想定より不利なレートで決済される可能性があります。
Q. トラリピの取引手数料はかかりますか?
トラリピの取引手数料は2018年9月29日から無料になっており、実質的なコストはスプレッドのみです。ただし、売りと買いの金利差によってはマイナススワップが発生する点には注意が必要です。
Q. 初心者はいくらから始めればいいですか?
最低取引単位は1,000通貨(南アランド/円・メキシコペソ/円・NOK/SEKは1万通貨)です。片道トラリピで1通貨ペアから始めるなら、30万〜50万円程度が現実的な目安です。必ずロスカットレートから逆算して資金を決めてください。
Q. 為替コヤジは今もトラリピを運用していますか?
トラリピの新規運用は終了しており、2026年8月末時点で残っている米ドル/円と豪ドル/NZドルのポジションを整理しながら、FXはスワップ投資を中心にする方針です。ただし、今からトラリピを始めるなら片道トラリピを選びます。
まとめ|運用ルールさえ守れば、トラリピは強力な武器になる

本記事では、私がトラリピで大損した実績と5つの理由、そしてその対策を紹介しました。要点を整理すると以下の通りです。
- 2012年1月〜2026年8月のトラリピ通算損益は約-1,639万円、100万円超のロスカットは11回(合計約1,769万円)
- 損失の大半はトルコリラ/円・南アランド/円・米ドル/円の3通貨ペア(約-1,167万円)によるもの
- マイナススワップの損失は2024年〜2026年8月だけで約494万円
- 一方で7通貨ペアはプラスで終え、マイナススワップを避けた2023年は売買損益が14年間で最高
- 今から始めるなら、スワップがプラスの方向にだけ仕掛ける片道トラリピがおすすめ
トラリピで大損しないための5つのルールもおさらいしておきます。
- 高金利通貨ペアには手を出さない
- マイナススワップの方向には仕掛けない
- 想定が外れたら迷わずロスカットする
- ロスカットレートを把握しておく
- 分散投資を徹底する
正直に言うと、約1,639万円の損失は本当につらい経験でした。しかし、その失敗があったからこそ、何をすれば負けるのか、どうすれば避けられるのかがはっきりと分かりました。私の失敗を先に知っているあなたは、私よりずっと有利な位置からトラリピを始められます。
なお、どんなに優れた手法でも、それ一本に集中するとリスクが高まります。私自身も、FX自動売買だけでなく、不動産クラウドファンディングや仮想通貨、インデックス投資など複数の手法を組み合わせて運用しています。ポートフォリオ全体の考え方はほったらかし投資ポートフォリオ完全ガイドで公開しています。
トラリピの口座開設は無料で、口座を持っているだけなら費用はかかりません。まずは口座を開設し、運用試算表でロスカットレートを確認するところから始めてみてください。



コメント