「豪ドル/米ドルでトラリピをやってみたいです。どんな設定がいいですか?」
「豪ドル/米ドルの買いのスワップって、プラスなの?マイナスなの?」
本記事ではこんな悩みを解決します。
豪ドル/米ドル(AUD/USD)は、取引量の多い主要通貨ペアのひとつで、長期的には広いレンジの中で上下を繰り返してきた通貨ペアです。
私・為替コヤジは2019年12月から豪ドル/米ドルをハーフ&ハーフで運用し、2024年7月に損切りして運用を終えました。結果は通算約20万円のマイナスです。
本記事では、豪ドル/米ドルの最新の相場環境と片道トラリピの3条件による「今」の診断、そして過去の設定と実績から学んだ「スワップの向きは変わる」という教訓を解説します。
- 豪ドル/米ドルの最新の値動きと金利環境(2026年10月時点)
- 片道トラリピの3条件で見た豪ドル/米ドルの「今」の評価
- 為替コヤジが運用していた豪ドル/米ドルのハーフ&ハーフ設定
- 約4年半の運用で約20万円のマイナスになった経緯
- 豪ドル/米ドルの運用から学んだ3つの教訓
豪ドル/米ドルの特徴と最新の相場環境

まずは豪ドル/米ドルの基本的な特徴と、2026年10月時点の相場環境を整理しておきましょう。
豪ドル/米ドルは円が絡まない「ドルストレート」の通貨ペアです。豪ドルは資源国通貨で、中国経済や資源価格、世界の株式市場の動向に影響を受けやすく、リスクオンで上昇、リスクオフで下落しやすいという特徴があります。
| 項目 | 内容(2026年10月初旬時点) |
|---|---|
| 現在のレート | 0.69ドル台 |
| 政策金利 | 豪州(RBA):4.60% 米国(FRB):3.75~4.00% |
| スワップの向き | 買い:プラス/売り:マイナス |
| トラリピの最小取引単位 | 1,000通貨 |
※スワップポイントは日々変動します。最新の値は必ずマネースクエアの公式サイトでご確認ください。
豪州の中央銀行(RBA)が2026年に4回の利上げを行った結果、豪州の政策金利は米国を上回り、豪ドル/米ドルは買いでスワップを受け取れる状態になっています。
ただし金利差は1ポイントに満たず、スワップの水準は大きくありません。また後で詳しく触れますが、2023年~2024年は米国の金利の方が高く、買いのスワップはマイナスでした。
豪ドル/米ドルの値動き|長期レンジと直近の推移

次に、豪ドル/米ドルの長期的な値動きを確認します。
豪ドル/米ドルは長期的に見ると広いレンジで推移していますが、2015年以降はレンジの下半分で推移する時間が長くなっています。
旧設定の前提:過去20年は0.55~1.05ドルにほぼ収まっていた

旧設定を作った当時、豪ドル/米ドルの過去20年の月足チャートは、おおむね0.55~1.05ドルのレンジに収まっていました。
そこで中央値の0.80ドルを境に、下に買い、上に売りを仕掛けるハーフ&ハーフを採用していました。
2015年以降はレンジの下半分で推移
実際には、豪ドル/米ドルは2015年以降、中央値の0.80ドルを上回る時間はほとんどなく、0.55~0.80ドル前後で推移しています。
2022年には米国の急速な利上げによるドル高で0.62ドル前後まで下落し、その後もしばらく0.6ドル台前半~半ばで推移しました。2026年に入ってからは豪州の利上げを背景に持ち直し、10月初旬は0.69ドル台です。
旧設定の中央値(0.80ドル)より下にあるため、旧設定で言えば買いレンジの中で推移している状態です。
片道トラリピの3条件で診断|豪ドル/米ドルは今、仕掛けるべきか

ここからは、片道トラリピに適した通貨ペアを選ぶ3つの条件で、今の豪ドル/米ドルを診断します。
現在、豪ドル/米ドルでスワップがプラスになるのは「買い」なので、買いの片道トラリピとして評価します。
| 条件 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| ① プラススワップが大きい | △ | 買いでスワップを受け取れるが、金利差は1ポイント未満と小さい。向きが入れ替わってから日が浅い点にも注意 |
| ② レンジ相場を形成している | ○ | 2015年以降はおおむね0.55~0.80ドル前後で推移している |
| ③ レートがレンジの端にある | × | 0.69ドル台はレンジの中ほど。買いに適した底値付近ではない |
診断結果をまとめると、今の豪ドル/米ドルは片道トラリピの候補としては見送りというのが私の判断です。
レンジ相場という点では悪くありませんが、スワップは小さく、レートもレンジの中ほどにあります。3つの条件のうち2つが中途半端な状態では、無理に仕掛ける理由はありません。
レートがレンジの下側(0.6ドル台前半)まで下がり、なおかつ買いスワップが十分にプラスであれば、改めて検討する価値があります。
現在の条件に合う通貨ペアは、下記の記事で紹介しています。
【過去の記録】為替コヤジの豪ドル/米ドル ハーフ&ハーフ設定

ここからは、私が以前運用していた豪ドル/米ドルのハーフ&ハーフ設定を記録として紹介します。
現在は運用しておらず、推奨設定ではありません。同じ失敗を避けるための参考としてご覧ください。
当時の設定内容
過去20年の中央値0.80ドルを境に、下に買い、上に売りを仕掛けていました。2021年からは中央値付近に「コアレンジ」を追加し、ベースレンジのトラップの間に交互に配置することで、重なる範囲は実質0.001ドル間隔になるようにしていました。
| 設定内容 | 買い | 売り |
|---|---|---|
| レンジ | ベース:0.5510~0.7990 コア:0.7520~0.8000 |
ベース:0.8010~1.0490 コア:0.8020~0.8500 |
| 注文金額 | 1,000通貨 | 1,000通貨 |
| トラップ本数 | ベース:125本 コア:25本 |
ベース:125本 コア:25本 |
| トラップ間隔 | 0.002ドル (コアと重なる範囲は実質0.001ドル) |
0.002ドル (コアと重なる範囲は実質0.001ドル) |
| 利益金額 | 10ドル | 10ドル |
| 決済トレール | あり | あり |
| ストップロス | なし | なし |
ベースレンジのみの時点では運用資金140万円を想定し、自作のExcelツールで計算したロスカットレートは、買いが0.5474ドル、売りが0.9930ドルでした。
約4年半の運用実績
豪ドル/米ドルは2019年12月に運用を始めました。2023年1月時点で新規注文を停止し、2024年7月に保有ポジションを損切りして運用を終えています。年ごとの売買損益は以下の通りです。
| 年 | 売買損益(スワップ除く) |
|---|---|
| 2019年(12月から運用開始) | +7,087円 |
| 2020年 | +187,261円 |
| 2021年 | +147,892円 |
| 2022年 | +54,076円 |
| 2023年 | 0円(決済なし) |
| 2024年(7月に損切り) | -591,584円 |
| 合計 | -195,268円 |
2020年から2022年までは順調に利益を積み上げ、約40万円の決済益を出しました。
しかし2022年のドル高で中央値(0.80ドル)より下の買いポジションが積み上がり、2023年は新規注文を止めて決済のないまま保有を続けました。最終的に2024年7月に約59万円の損切りをして、通算では約20万円のマイナスで運用を終えています。
トラリピ全体の運用実績は、下記の記事ですべて公開しています。
豪ドル/米ドルの運用から学んだ3つの教訓

豪ドル/米ドルの運用から学んだことを3つにまとめます。
ドルストレートでトラリピを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
教訓1:スワップの向きは金融政策で入れ替わる
私が損切りした2024年当時、米国の政策金利は豪州を上回っており、買いポジションにはマイナススワップがかかっていました。ところが2026年には豪州の利上げで金利が逆転し、今度は買いでスワップを受け取れるようになっています。
このように、スワップの向きは両国の金融政策しだいで入れ替わることがあります。片道トラリピでも、エントリー時だけでなく運用中も定期的にスワップの向きを確認することが大切です。
教訓2:中央値は「過去20年」ではなく「直近の相場」で考える
旧設定は過去20年の中央値0.80ドルを境にしていましたが、2015年以降の豪ドル/米ドルはほとんどの期間で0.80ドルを下回っていました。
その結果、売りのトラップはほとんど約定せず、実質的には買いだけを仕掛けているのと同じ状態でした。長すぎる期間で中央値を決めると、現在の相場とかけ離れた設定になってしまいます。
教訓3:「決済なし」で保有し続ける期間はリスクが積み上がる
2023年は新規注文を止めたまま、1年間決済のない状態で買いポジションを保有し続けました。
その間も含み損は解消されず、当時はマイナススワップの支払いも続いていました。撤退すると決めたら、出口の価格も同時に決めておくことで、判断を先延ばしにせずに済みます。
これらの失敗とその対策は、下記の記事でさらに詳しくまとめています。
よくある質問

豪ドル/米ドルのトラリピについて、よくいただく質問にお答えします。
Q. 豪ドル/米ドルの買いのスワップはプラスですか?
2026年10月時点では、豪州の政策金利が米国を上回っているため、買いのスワップはプラスです。ただし金利差は小さく、2023年~2024年のように米国の金利の方が高い時期は、買いのスワップがマイナスでした。最新の値は必ずマネースクエアの公式サイトで確認してください。
Q. 豪ドル/米ドルはトラリピに向いていますか?
2015年以降は一定のレンジで推移しており、トラリピに使える通貨ペアです。ただしスワップの向きが入れ替わりやすく、水準も小さいため、片道トラリピの候補としては優先度が高くありません。条件がそろうまで待つのがおすすめです。
Q. 過去の設定をそのまま使ってもいいですか?
おすすめしません。旧設定は過去20年の中央値(0.80ドル)を基準にしており、現在の相場とはかけ離れています。また、ハーフ&ハーフでストップロスもない設定です。片道トラリピの考え方で設定し直してください。
まとめ:豪ドル/米ドルは「スワップの向き」を常に確認する

本記事では、豪ドル/米ドルの最新の相場環境と、過去のハーフ&ハーフ設定とその結果を紹介しました。
要点を整理すると以下の通りです。
- 豪ドル/米ドルは2026年に豪州の金利が米国を上回り、買いでスワップを受け取れる状態
- ただし金利差は小さく、レートもレンジの中ほどにあるため、今は新規エントリーを見送る局面
- 旧設定は約4年半の運用で、通算約20万円のマイナス
- 過去20年の中央値を基準にした結果、実質的に買いだけのポジションになっていた
- スワップの向きは金融政策で入れ替わるため、運用中も定期的に確認することが大切
トラリピは仕組みを正しく理解し、リスクを管理すれば、コツコツと利益を積み上げられる優れたツールです。
私の失敗を反面教師にして、ぜひ条件のそろった通貨ペアで、片道トラリピを無理なく始めてみてください。
為替コヤジが過去に運用していた全13通貨ペアの設定と、その結果は下記の記事にまとめています。
同じドルストレートで、7年間で約64万円のプラスに終わったNZドル/米ドルの記録は下記の記事で紹介しています。









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