「トラリピでNZドル/米ドルを運用してみたいです。どんな設定がいいですか?」
「NZドル/米ドルってマイナーな通貨ペアだけど、トラリピで稼げるの?」
本記事ではこんな悩みを解決します。
NZドル/米ドル(NZD/USD)は、日本ではあまりなじみのない通貨ペアですが、値動きが比較的穏やかで、長期的にレンジ相場を形成してきた通貨ペアです。
私・為替コヤジは2019年1月からNZドル/米ドルをハーフ&ハーフで運用し、2025年11月に運用を終えました。結果は通算約64万円のプラスで、私が運用した13通貨ペアの中でもトップクラスの利益を残した通貨ペアです。
本記事では、NZドル/米ドルの最新の相場環境と片道トラリピの3条件による「今」の診断、そして過去の設定と実績から見えた「うまくいった理由」と「注意点」を解説します。
- NZドル/米ドルの最新の値動きと金利環境(2026年10月時点)
- 片道トラリピの3条件で見たNZドル/米ドルの「今」の評価
- 為替コヤジが運用していたNZドル/米ドルのハーフ&ハーフ設定
- 13通貨ペアの中でもトップクラスの約64万円のプラスになった経緯
- NZドル/米ドルの運用から学んだ3つのこと
NZドル/米ドルの特徴と最新の相場環境

まずはNZドル/米ドルの基本的な特徴と、2026年10月時点の相場環境を整理しておきましょう。
NZドル/米ドルは、円が絡まない「ドルストレート」の通貨ペアです。日本の金融政策や円相場の影響を直接受けないため、クロス円と組み合わせると値動きの分散効果が期待できるという特徴があります。
一方、NZドルは乳製品などの輸出に依存する資源国通貨で、世界経済や中国経済の動向、両国の金融政策の差に影響を受けやすい点には注意が必要です。
| 項目 | 内容(2026年10月初旬時点) |
|---|---|
| 現在のレート | 0.56ドル前後 |
| 2026年の値動き | おおむね0.56~0.61ドル(7月末時点) |
| 政策金利 | ニュージーランド(RBNZ):2.75% 米国(FRB):3.75~4.00% |
| スワップの向き | 売り:プラス/買い:マイナス |
| トラリピの最小取引単位 | 1,000通貨 |
※スワップポイントは日々変動します。最新の値は必ずマネースクエアの公式サイトでご確認ください。
米国の政策金利がニュージーランドより1ポイント以上高いため、NZドル/米ドルは売りでスワップを受け取れる状態です。ただし両国とも2026年に利上げしており、今後の金利差の変化には注意が必要です。
NZドル/米ドルの値動き|長期レンジと直近の推移

次に、NZドル/米ドルの長期的な値動きを確認します。
NZドル/米ドルは、旧設定で想定したレンジの中で推移し続けた数少ない通貨ペアです。
過去20年は0.50~0.80ドルにほぼ収まっている

NZドル/米ドルの過去20年の月足チャートは、おおむね0.50~0.80ドルのレンジに収まっています。
そこで中央値の0.65ドルを境に、下に買い、上に売りを仕掛けるハーフ&ハーフを採用していました。
2022年以降はレンジの下側で推移
2022年以降は米国の利上げによるドル高を背景に、NZドル/米ドルはレンジの下側(0.55~0.65ドル前後)で推移する時間が長くなりました。
2026年も0.56~0.61ドル前後で推移しており、10月初旬は0.56ドル前後と、旧設定の買いレンジ(0.5010~0.6500ドル)の中にある状態です。
片道トラリピの3条件で診断|NZドル/米ドルは今、仕掛けるべきか

ここからは、片道トラリピに適した通貨ペアを選ぶ3つの条件で、今のNZドル/米ドルを診断します。
NZドル/米ドルでスワップがプラスになるのは「売り」なので、売りの片道トラリピとして評価します。
| 条件 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| ① プラススワップが大きい | △ | 売りでスワップを受け取れるが、金利差は1ポイント強と大きくはない |
| ② レンジ相場を形成している | ○ | 過去20年は0.50~0.80ドル、2022年以降は0.55~0.65ドル前後のレンジで推移 |
| ③ レートがレンジの端にある | × | 0.56ドル前後は2026年の推移の中で安値圏。売りに適した天井付近ではない |
診断結果をまとめると、今のNZドル/米ドルは片道トラリピの候補としては見送りというのが私の判断です。
レンジ相場という点では魅力的ですが、売りの片道トラリピは天井付近から始めるのが基本です。安値圏の今から売りを仕掛けると、反発したときに含み損を抱えることになります。
一方、安値圏にある今は買いに適した位置ですが、買いはスワップがマイナスです。「位置」と「スワップの向き」が合わないときは、無理に仕掛けないのが片道トラリピの鉄則です。
レートがレンジの上側(0.60ドル台)まで戻り、売りスワップが十分にプラスであれば、改めて検討する価値があります。
現在の条件に合う通貨ペアは、下記の記事で紹介しています。
【過去の記録】為替コヤジのNZドル/米ドル ハーフ&ハーフ設定

ここからは、私が以前運用していたNZドル/米ドルのハーフ&ハーフ設定を記録として紹介します。
現在は運用しておらず、推奨設定ではありません。過去の参考としてご覧ください。
当時の設定内容
過去20年の中央値0.65ドルを境に、下に買い、上に売りを仕掛けていました。
| 設定内容 | 買い | 売り |
|---|---|---|
| レンジ | 0.5010~0.6500 | 0.6510~0.8000 |
| 注文金額 | 1,000通貨 | 1,000通貨 |
| トラップ本数 | 150本 | 150本 |
| トラップ間隔 | 0.001ドル | 0.001ドル |
| 利益金額 | 8ドル | 8ドル |
| 決済トレール | あり | あり |
| ストップロス | なし | なし |
当初は運用資金250万円を想定し、自作のExcelツールで計算したロスカットレートは、売りが0.82088ドル、買いが0.46593ドルでした。ただし2023年1月時点では、他の通貨ペアの含み損の影響で資金を125万円に抑え、トラップ間隔を2倍(0.002ドル)にして運用していました。
約7年間の運用実績
NZドル/米ドルは2019年1月に運用を始め、2025年11月に損切りして運用を終えました。年ごとの売買損益は以下の通りです。
| 年 | 売買損益(スワップ除く) |
|---|---|
| 2019年 | +148,115円 |
| 2020年 | +172,138円 |
| 2021年 | +225,330円 |
| 2022年 | +91,910円 |
| 2023年 | +112,521円 |
| 2024年 | +14,241円 |
| 2025年(11月に損切り・停止) | -125,883円 |
| 合計 | +638,372円 |
2019年から2023年までは毎年安定して利益を積み上げ、5年間で約75万円の決済益を出しました。コロナショックのあった2020年もプラスを維持しています。
一方、2024年はレートがレンジの下側にとどまる時間が長く、決済益は約1.4万円に減少しました。2025年11月、トラリピ全体の整理の一環として損切りして運用を終えましたが、それまでの利益が大きく上回り、通算では約64万円のプラスとなっています。
トラリピ全体の運用実績は、下記の記事ですべて公開しています。
NZドル/米ドルの運用から学んだ3つのこと

NZドル/米ドルは私のトラリピの中でも特にうまくいった通貨ペアですが、その中にも教訓があります。
これから通貨ペアを選ぶ方は、ぜひ参考にしてください。
1. 「レンジの中にとどまる」ことがトラリピ成功の最大の条件
NZドル/米ドルがうまくいった最大の理由は、7年間の運用期間を通じて、レートが設定したレンジの中にとどまり続けたことです。
米ドル/円や豪ドル/NZドルのように、レンジを大きく外れた通貨ペアは大きな損失を出しました。トラリピの成否は、レートがレンジの中にとどまるかどうかでほぼ決まると言っても過言ではありません。
2. ドルストレートはクロス円との分散に役立つ
2022年の急激な円安では、私が運用していたクロス円が軒並み大きな損失を出しました。一方、円が絡まないNZドル/米ドルは、その年も約9万円のプラスを維持しています。
複数の通貨ペアを運用するなら、共通する通貨が偏らないように組み合わせることで、本当の意味での分散効果が得られます。
3. レンジの片側に偏ると、ハーフ&ハーフの弱点が出る
2022年以降、NZドル/米ドルはレンジの下側で推移する時間が長くなり、買いポジションばかりが残るようになりました。
米国の金利がニュージーランドより高いため、買いポジションにはマイナススワップがかかります。決済益が減る一方でスワップの支払いが続き、2024年の決済益は約1.4万円まで落ち込みました。スワップがプラスの方向だけに仕掛ける片道トラリピなら、この負担は避けられます。
よくある質問

NZドル/米ドルのトラリピについて、よくいただく質問にお答えします。
Q. NZドル/米ドルはトラリピに向いていますか?
長期的にレンジ相場を形成しており、値動きも比較的穏やかなため、トラリピと相性のいい通貨ペアです。私自身も13通貨ペアの中でトップクラスの利益を残しました。ただし今から始めるなら、スワップがプラスの売りだけで、レンジの上側まで戻ってきたタイミングを狙うのがおすすめです。
Q. 今はレンジの下側なので、買いで始めてもいいですか?
レートの位置としては買いに適していますが、買いはスワップがマイナスです。レンジの下側にとどまる時間が長くなると、含み損に加えてスワップの支払いが続きます。片道トラリピの考え方では、スワップがマイナスの方向には仕掛けません。
Q. 過去の設定をそのまま使ってもいいですか?
おすすめしません。旧設定はハーフ&ハーフでストップロスもない設定です。結果的にプラスで終えられましたが、それはレートがレンジの中にとどまったからです。片道トラリピの考え方で設定し直してください。
まとめ:NZドル/米ドルはトラリピ向きの優等生。ただし今は「待ち」

本記事では、NZドル/米ドルの最新の相場環境と、過去のハーフ&ハーフ設定とその結果を紹介しました。
要点を整理すると以下の通りです。
- NZドル/米ドルは長期的にレンジ相場を形成し、値動きも穏やかなトラリピ向きの通貨ペア
- 米国の金利がニュージーランドより高いため、片道トラリピは「売り」で検討する
- 現在は安値圏の0.56ドル前後にあり、売りの新規エントリーは「待ち」の局面
- 旧設定は約7年間で約64万円のプラスと、13通貨ペアの中でもトップクラスの結果
- レンジの片側に偏るとハーフ&ハーフの弱点が出るため、片道トラリピが有効
トラリピは仕組みを正しく理解し、リスクを管理すれば、コツコツと利益を積み上げられる優れたツールです。
NZドル/米ドルがレンジの上側まで戻ってきたときに備えて、今のうちにトラリピの口座を準備しておくのもひとつの方法です。
為替コヤジが過去に運用していた全13通貨ペアの設定と、その結果は下記の記事にまとめています。
同じくドルストレートで、売りの片道トラリピの候補でもあるユーロ/米ドルについては、下記の記事で解説しています。









コメント